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空を見上げて
標的8 その4

「その子に会ってみたいなー」


京子、それは無理だと思う。

まず次元が違うし。

とも言えずに笑って誤魔化していると何かが近づいて来る音がした。

不思議に思い周りを見渡すが原因を見つけられず首をひねる。

すると京子が私のうしろの方を見てぽつりと呟く。


「お兄ちゃんと持田先輩…?」


慌てて振り向くと確かにスポーツバカ's(1と2)がこちらに向いて走ってくる。

ちなみにスポーツバカ's3は山本だ。

口を開けて何かを言ったと思ったら…

「「そこの女子!」」

…と木内さんvoiceと飯田さんvoiceが聞こえてきた。

声大きい…!

そして誰のこと!?

と思ったのもつかの間、あの2人がこの中で名前を知らないのは自分だけだと気がつく。

そしてとっさに弁当箱をつかみ『先に行く!』と言い残して教室へと駆け出す。


あの2人…特に了平の方はとてもキラキラした顔で、嫌な予感がする。


「「そこの風紀委員の女子!」」


もう腕章が認識できる距離まで来た!?


「ボクシング部に入らんか!!」
「剣道部に入らんか!!」


やっぱり…!

というかせめて疑問形にして欲しい…。


『先輩ってことは受験生で、もう部は引退して関係ないでしょ!』

「俺はスポーツ推薦だから極限現役選手だ!」
「俺はスポーツ推薦だからまだまだ現役選手だ!」

『だとしても入りません!』

「「入れ!!」」


エンドレスに続きそうだった鬼ごっこ(?)をなんとか教室に着くまでに撒いたのだが、そのまま教室に入ってしまい「風紀委員!?」と腕章を見て騒がれたのはまた別の話―――


〜標的8 END〜




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あきゅろす。
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