空を見上げて
標的8 その3
「ちょっ…!」
「危ないよ!?」
私の挑発に心配した声色で止めようととする2人だが、ここで止めるわけにはいかない。
『大丈夫。こんな馬鹿達には負けないから』
「っ…!この女…調子に乗りやがって!!」
ついにキレたらしい1人の不良が私の顔を狙って殴ってくる。
それを持っていたほうきで防ぎ、ホットパンツをはいているため何の躊躇いもなくそいつの横腹に回し蹴りを入れるとあっさりのびた。
ちょっと力を入れすぎたかな…?
だとしても弱い…!!
口をポカンと開けている残りの5人もほうきを使って気絶させるとスマホを取り出す。
勿論連絡先は風紀委員長だ。
“中庭に昨日の不良6人気絶してるから回収宜しく”
と必要最低限の事を送るとすぐに“わかった”というメールが返ってきた。
それを見てからスマホをなおすと京子と花の方へ戻る。
『ゴメン。もうすぐ風紀委員が来るはずだからここで食べれなくなった…。教室に戻って食べよ』
「それはいいけど…風紀委員って」
「柚ちゃんスゴいね!剣道でもやってるの!?」
『花、そこは突っ込まないで…。うん。小さい頃からやってるんだ。』
部活…といっても1人だったからほとんど家で練習してたし、はっきり言って公式戦にも行ったことがない。
だから実力は定かではないけど師範である剣道6段の父親とはそこそこ良い勝負をしていたはずだ。
とはいえ、高校に入ってからは朝のランニングや筋トレ、素振りしか出来てないし、こっちに来てからは全くしていないから腕は落ちたと思う。
…明日からランニングと筋トレだけでも再開しよ。
「だとしても、普通は喧嘩に強くならないでしょ…」
『幼なじみ兼親友の僕っ子がよく年上とかと喧嘩してて、それを助けて今に至ります』
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