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空を見上げて
標的8 その1

チャイムが鳴り、教師が居なくなると騒がしくなる教室。

それはどの世界でも変わらないみたいだ。
小さく欠伸をしていると、未だに寝ている獄寺の肩を揺らしている山本がいた。

此処ではさすがに声が聞こえないが、起きた獄寺が一方的に突っかかっているのがみえる。

相変わらずだなー、と思っていると山本が私を指さしてきた。

いきなりの事に驚いていると、此方を見た獄寺の目が丸くなる。

あっ…そういやまだ話してない。

取り敢えず苦笑いをしながら手を振るが、教師や廊下からの鋭い視線が痛い。

…恋する乙女はコワイネー

因みに転校生ということで多少なりとも質問された中、昨夜リボーンに叩き込まれた“設定”で答えられたが、たまに山本や獄寺との関係も聞かれた。

そんなに気になるなら本人達に訊ねたらいいのに…と小さく溜め息をつく。

そんなとき、私を呼ぶ声をして振り返ると京子と花が立っていた。


Θ


『あっ、ほうき』


ベンチにたけかけているほうきを見て呟くと花が教えてくれた。


「この学校ではよくあるのよ。ほら、群れを咬み殺している雲雀が来たときは自分の命を守るために必死で逃げないと」


ごもっともです。


「あとで職員室にでも届に行こっか」


と、提案しながら座る京子とその隣に座る花。

私も相づちをうちながら腰をかけた。

えっと…只今の状況は、中庭にて2人とランチタイムをとろうとしています。

あのとき、2人が誘ってくれなかったら今頃独りで食べていたと思う。


「にしても、そんな不思議な事があるんだ」

『一番私が驚いてるよ…』


塩鯖をつつきながらボヤく花にフワフワの卵焼きを頬ばりながら返す。

さすが奈々さん。

すごいおいしい。

ちなみに教室を出るまで無言だった花が、人が居ないところまでくると開口一番に「柚って何者?」と言われた。

花だし言っといた方がいいよね…?

そう思ったから皆には黙っておくという約束で、今までのこと(主に並盛に住むことに)を話した感想が上の言葉だ。




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