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空を見上げて
標的7 その3

「来るなら教えてくれたらよかったのに…」

「そうだぜ、水臭いな。…ん?けど柚って高k―――」


山本が言おうとしている単語に気がつき、口を抑えようとするより先に校内放送が流れた。


“2―Aの桐谷 柚。今すぐ応接室に”


風紀委員長直々の呼び出しにクラス全員の“一体何をしたんだよ!?”という心の叫びが聞こえる。

取り敢えずスピーカーを指差し山本に尋ねた。


『分かった…?』

「おぅ♪柚も大変なのな」


爽やかな笑みを見せられると和むわ…

そんな事を思っていると、京子が心配そうに私の顔を覗いてくる。


「柚ちゃん早く行かないと…」


…咬み殺されますね。ハイ。

京子が言い終わる前に『行ってくる』と一言残し、朝教えてもらった応接室へと走った。


Θ


数分後応接室のドアをノックすると「いいよ」と声が返ってくる。


『失礼します』

「遅い」


いくら何でも入って来るなりそれはないでしょ…

苦笑いしながらドアを後ろ手で閉めると、ソファーでエスプレッソを飲みながらくつろいでいる人物を見つける。

別れた後で此処に来たのか。

そう推測していると、雲雀がソファーからこちらに向かって歩いてくる。


「これ常に持ち歩いて」


と言う雲雀の手には風紀の腕章。


『今なんて?』

「君は今日から風紀委員だから常に持ち歩いて」

『えっ?』


なぜに今日から〇のつく自由業みたいな乗りで言われなくてはいけないのだろう。

まず私が風紀委員にならなくてはいけない理由を10文字以内で…というかあんな不良集団に入りたくない。

そんな私の心の中を知ってか知らずか雲雀は口を開く。


「赤ん坊と決めた」


ワォ…9文字だ。

と少し感心しつつリボーンを睨むが、当の本人はどけ吹く風だ。




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