空を見上げて
標的7 その2
「それでは、名前を呼んだら入ってきてくれ」
私が頷くのを見てからお爺ちゃん先生が“2―A”へと入って行く。
因みにリボーンとは職員室前で別れた。
その職員室で名前を告げたとき、そこにいた全職員の肩が揺れたのは見間違いでは無いだろう。
微かに「雲雀…」とか「風紀委員長…」とかいう単語も聞こえてきたし。
そんな風に職員室でのことを思い出していると名前を呼ばれ教室に入る。
まず見えたのは教卓の前の席で足を机の上にあげて朝っぱらから寝ている忠犬ハヤ公…ではなく獄寺。
そして教室の後ろの方には一瞬ビックリしたが直ぐに笑顔で手を振ってくる天然のお2人。
「転校生の桐谷くんだ」
『桐谷 柚です。今は家庭の事情で親戚である沢田綱吉君の家に住まわせてもらってますが、宜しくお願いします。』
“ダメツナの親戚かー”
“アイツもダメなんじゃねーの”
そんな声がちらほら聞こえるが笑顔(勿論目は笑っていない)と言う無言の圧力をかける。
その声が先生にも聞こえたのか思い出したかのように口を開く。
「あっ、桐谷は編入テストで獄寺の点数とほぼ同じというか、歴代最高得点を出した」
そのとたん教室が静かになる。
いくらJAXAに注目されたかもしれない天才とはいえ、私立女子校で全国トップクラスの高校一年生には勝てないって訳か…。
自分の事なのに凄い客観的に思っていると好奇心いっぱいの視線を嫌と言うほど感じた。
「えっーと、桐谷の席は…真ん中の列、一番後ろの右側だ。今は居ないが隣が沢田だから安心しろ」
マジですか…しかも反対の隣の席山本&前の席京子ってリボーンの奴め。
「それじゃ席に着け」
『はい』
未だに寝ている獄寺を横目で見てから席に向かって歩く。
よく見るとツナの向こう側の席に黒川 花がいた。
2―Aの殆どの主要キャラと席が近いって…。
ツナは授業中、京子の横顔を見て先生の話なんか聞いていないのだろうな。
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