空を見上げて
標的6 その2
此処ではまず通ってないし。
話しかけてくる輩に心の中でツッコミながら、逃げる体制になりタイミングをみている最中、道に凛とした声が響きわたる。
「君たち…何群れてるの」
この声…凄い聞いたことある声にそっくりというか、“群れてる”って単語を使う人を私は一人しか知らない。
風紀委員居ないのかなとは思ってたけどさ…何もトップが現れなくても。
「ひっ、雲雀恭弥だ!!」
カシャン
トンファーを出す(伸ばす)音も不良たちがビビって黙っているからよく響く。
「風紀を乱した罪で…咬み殺す」
その言葉を皮きりに目の前で次々と不良が倒されてゆく。
本当に舞うみたいにトンファーを扱い、咬み殺していっている。
流石、雲雀恭弥ってところだ。
逃げるのも忘れて魅入っていると不良を全員咬み殺したようで、此方に歩いてくる。
咬み殺されると思い逃げようとすると腕を掴まえられた。
「見ない顔だね。並中生…ではないし、どこに住んでいるの?」
『えっ…?』
てっきりトンファーがくると思っていたので拍子抜けた。
「間抜けな顔」
クスリと笑うその顔はアニメやマンガで見たことない顔で、更に言葉を失う。
「それで…どこに住んでいるの?」
穏やかな顔のまま手を離し、首を傾げられると本当にあの“並盛最凶の雲雀恭弥”かと疑いたくなる。
取り敢えず何時までも黙っていると、後が怖いので、恐る恐る答える。
『えっと…沢田家?』
何故疑問系かは察して欲しい。
「へぇ、草食動物の」
『いろいろあって…』
好奇心いっぱいの目で見られたので一様ぼかす。
苦笑いする私の顔を少し見てから、雲雀の視線は私の後ろの方へ動く。
「そうなのかい、赤ん坊」
『そうだよね、リボーン…って!?』
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