空を見上げて
標的5 その1
あのあと少ししたら病院からリボーンの案内で沢田家へと向かった。
奈々さんは最初ビックリしたものの止まる許可が出て、挙げ句の果てには私の生活用品や衣類を買うために並盛商店街にチビ達やビアンキと共に行った。
おかげさまで必要なものは揃ったがかなり多額の支払いだったと思う。(特にこっち用のスマホやノートパソコン)
そして今はもうすっかり夜になった空をツナの部屋のベランダから見ている。
なぜツナの部屋に居るかというと、リボーンに半強制的に決められたからで…。
さすがに銃を持った人には逆らえないし、逆らいたくない。
こんな夜遅くになると住宅街とは言え静かだ。
この時期特有の生ぬるい風でまだ水の滴る髪を自然乾燥させていたら部屋の扉が開く音がする。
振り返るとナイトキャツプを被ったリボーンがいた。
入ってくるなりベッドへと飛び乗り座るので、私も窓を閉めその隣に座る。
「わりーな。こんな汚い部屋で」
『泊めてもらっている身に文句を言う権利は無いと思うけど?』
「そう言うってことは汚いって思ってるんだな」
『男子の部屋を見たことないからノーコメントで』
因みに床にはテストの解答用紙やらゲーム機、服、お菓子の袋が散乱している。
「それより、聞きたいことがあるんだが良いか?」
『なに?』
「柚は会う前からオレ達のことを知ってたのか?」
“ビクッ”
いきなりの言葉に動揺して肩を揺らしてしまった。
『…なんでそう思うの?』
「オレの姿を見てもなにも言わなかったことと、山本…ツナ達が中2ということを知ってたからだ。まぁ、オレの勘違いってことも有り得るんだかな」
そういえばつい中2って言った記憶が…(標的3 その2)
ということはリボーン相手だと変な言い訳は出来ないし、少し腹をくくりますか。
『イエスかノーかで言えば…イエスだね。今は詳しいこと言えないけど』
「なるほどな。んじゃ、“Arcobaleno(アルコバレーノ)”については知ってるのか?」
『呪われた赤ん坊ってことぐらいかな?』
…嘘だ。
ホントは最終巻まで読んでいるから呪いのことや7B(テュリニセッテ)についてもかなり知っている。
けど、こればかりは言ったら原作ぶち壊し決定で…。
まだまだ先だが代理戦もツナの成長には必要不可欠だ。
また嘘をついたと思いながらも、だんだん嘘の数を減らしていきたいと密かに思った。
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