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空を見上げて
標的1 その1

天に舞い上がる嬉しさとはきっとこのことだろう。


大阪の私立高校に行くと言う名目で念願の一人暮らしを始めたのだ。


夏休み初日の今日、帰宅部の私はさっそく阿倍野にあるアニメイトへと繰り出していた。


かといい特に欲しい品はなくウィンドウショッピングをしていた。


しばらく店内を回っていれば流石に見るところがなくなり、一つ上の階の羅針盤に行こうと、エレベーターに一人で乗る。


今思えば一人で乗ったのが悪かったのかもしれない。


私の乗ったエレベーターは階と階の途中でいきなり止まった。
1人だったため軽くパニック状態になったが、数秒後にはまた動き出し胸をなで下ろす。


羅針盤に着いたらしくやっと止まり、これ以上エレベーターの中に居たくなかった私は扉が開いた瞬間外へと飛び出た。


が、人がいたみたいでぶつかりお互いにしりもちをついてしまった。


「はひっ!?大丈夫ですか?」

「私は大丈夫だよ。それより…」


そう言って近くにいたポニーテールで黒髪の女の子と私がぶっかった少し癖毛で茶髪の女の子がこちらを見てくる。


『私こそ大丈夫だよ。ごめんね…私が慌ててたから…』


そう言いながら立ち、二人を見て自分の目を疑った。

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