空を見上げて
標的4 その2
今言われて気づいた。
確かにこのままでは野宿だ。
『何処か近くのホテルにでも泊まって、こっちに来た原因を探す。良いホテル知らない?』
尋ねてみると、ツナが答えてくれた。
「何カ所かは。けど…お金は大丈夫?」
『取り敢えず今日は凌げるはず…』
元々アニメイトで何か買おうとしていたからお金は多めに持ってきてる。
とは言え、たかが高校生のお小遣いだ。
底をつくのはすぐだろう。
するとリボーンが少し笑う。
「だろうな。そこで提案なんだが、ツナの家に泊まるか?」
「『えっ…!?』」
いきなりの事に私とツナが固まっていると、獄寺が慌てだした。
「ちょっと待ってください!なんでこの女が十代目のお屋敷に…!!」
『十代目って、ツナだよね?』
分かっているが、話の流れ的に一応聞いてみる。
「当たり前だ!!!!十代目は…モゴモゴ」
立って怒鳴ろうとする獄寺の口を、光の速さで手で覆う入院中の身であるはずのツナ。
大方“マフィアのボス”とか言われるのかと思ったのだろう。
「ツナはこれでも、“Vongola(ボンゴレ)”っていうイタリアンマフィアの十代目ボス候補だぞ。」
…結局、リボーンが言ってしまったけど。
「リボーン!柚ちゃんを巻き込むなよっ!!」
「良いじゃねーか。ツナの家に泊まるかは返事を聞くまでもないし、コイツは面白いからな。」
面白いって…私変なこと言った?
耳に入ってきた言葉に首を捻った。
「それに、柚が体験したこともボンゴレの力を使えば効率良く調べられるぞ。」
リボーンの正論(?)に「た、確かに…」とツナは言葉を詰まらせる。
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