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risorgimento
自由になれない

…明るい……

あの時と…同じような……


闇に沈み染め上げられた心。
それを浄化した


オレンジの炎


あの網膜に焼き付いた光と似た強さ
そんな光が、周囲を照らしている。

そう 似ている

でも違う
あの男はもう居ない


ならばこの光は

一体―――…?


ガシャァッ


破砕音。

今まで途切れることのなかった浮遊感が急に消えた。
鎖に囚われた体が重力に従い沈んでいく。

どっ

「ぅ……っ」

十年ぶりの痛覚に思わず声が漏れた。
だが、床に倒れ込んだわけではない。

多分腕だろう、何かが背中に回され引き寄せられる。



温かい

人の温度だ


解放された聴覚に吹き込む温かい風。

「やっと会えた…」

声を聞き身を固くする。

この声は…

カチャッ
マスクも
ピリッ
瞼も解放される。

視界を埋める 白い闇

「改めて…
初めまして、骸君」

「…んっ……!?」

重ねられた唇


僕は未だ

自由にはなれない




闇から脱け出ても

その先は更に深く白い闇








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