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risorgimento
変わらない、



まずい


これは…非常に。













変わらない、













ゴンッ


「………どうしたの」


盛大に頭を机に打ち付けた。痛い。

「……眠いの?」

隣で仕事をする同僚の声が降る。

「…現象としては似ていますがね……睡魔より状況は深刻です…、」

打った部分を抑えながら身を起こすが、頭の中はぐるぐると渦を巻き三半規管は機能してくれない。衝撃を与えてしまった所為で頭痛も酷くなった。

「う゛…これ以上は無理でしょうか……」

どうしてもやっておきたい仕事があったので、多少の熱がどうしたと身体に鞭打って机に向かったはいいが、当然ながらあまり捗らない。吐き気までしてきた。


「……帰ったら?」

「おや…珍しいですね…心配してくださるんですか?」

「生徒に感染ったらどうするの。僕の学校で学級閉鎖なんて許さないよ」

「そーですよね、君が心配なんてしてくれるわけないですよね、」

「六道せんせー!」


雲雀の忠告通りに帰ろうかと思案していた所に生徒の呼ぶ声。
面倒なことこの上ない。

「…何かあったんですか」

キラキラ光る女子高生2人の笑顔に胸焼けを起こしつつ問いかける。

「お客さまで〜す」
「はひー!すごくカッコいい人ですー!!」

「煩いよ君たち…」

客…?今日は誰かと会う約束などしていない筈…

「何方ですか?」

「えっと、白蘭さ「今すぐ帰ってもらってくださいッ!!」

「わぁーヒドイなぁ骸くん、」

ダンッ
机に掌を叩きつけて立ち上がり大声を張り上げたが時既に遅し。骸の最も苦手とするその男は教務室の扉に手をかけひょこりとその顔を覗かせた。

「白蘭ッ!!何勝手に僕の職場に入って来てんですか!」

「勝手じゃないよ〜ホラ、来校許可証。」

ぷらぷらと首に提げたプレートを示す。

「誰ですかこの不審者に許可証を出したのは!?」

「「「英語科のディーノ先生!」」」

お願いですから女子高生と一緒になってはしゃがないで下さい…!!

「とにかくここから出て行って下さい!それから、予備校であることないこと生徒に吹き込むのは金輪際やめると誓って下さい!」

「僕はいつも真実しか言わないよ?骸くんとは毎日キスしてたとかね、」

「いつの話ですか!小学校上がる前のことでしょうそれは!!」

「え〜今だってするじゃん」

それは貴方から一方的に、でしょう…!

白蘭の顔を見たのと大声を出した所為で増した頭痛と目眩に頭を抱える骸。

「骸くん?……顔色悪いよ、大丈夫?」

いつの間にか近くに居た白蘭に驚き、後ずさる。
目の奥が鈍く痛む。
右手で抑えた。

「貴方には関係のないことです…、さっさと帰って下さい…っ」

「関係なくない」

右手首に痛みが走る。
珍しくも真剣な眼差しに、声が出ない。
背後は壁。逃げられない。


コツ…

「熱だってこんなにある…」

なんで我慢するの、

間近にある紫の瞳。
怒りの色の中に滲む淋しさ。

「近、い…ですっ」

胸を押しやるも触れる額は離れない。

「白蘭!…んッ」

押しつけられた唇。

「やめっ…ふ、……っは、」

割り入ってくる舌が熱くて、激しくて、
既に朦朧としていた僕の意識は、そこでふつりと切れた。

















「…ぅ………」

ズキリ、

鈍い痛みに目覚める。

(僕は学校に居た筈……、)

清潔な真っ白いベッド。
ここは保健室だろうか…
それにしては特有の消毒液の匂いがしない。

上手く回らない思考にどうでもよくなって、そのまま意識を沈めていく…


「……ん…………」


ふわりと鼻腔を擽る香

懐かしい…

意識が、引き摺られていく




『びゃくらん、お粥ですよー』

『ん…ありがと……おいしーよ』

その言葉に嬉しくなって、早く元気になれと、一口ずつ冷ましながら、弱々しく笑う口元に、蓮華を運んで行く。

『それじゃ、僕はお皿下げてくるので、ちゃんと寝てて下さいね』

『待って骸、』

『?』

『おいで』


「骸くん?」

目、覚めたんだ。

幼い頃の白蘭と、今、僕を覗き込む白蘭が重なる。


「大丈夫ー?…って、大丈夫なわけないか……」

起きられる?

背中の下に腕を入れられて、抱き起こされる。


「一口でいいから、食べて」

差し出される蓮華。


「………ん…、」

俊巡するが、緩く立ち昇る湯気に誘われて、舌を差し出す。
つ、と喉を落ちて行く熱さに身体が応えた。
まだ、起きていられるくらいには力がある。

「…おいしい?」

コクリと頷く。
差し出された蓮華に再び舌を這わす。
背を支える腕が温かい。

僕は一口と言わず、全て平らげてしまった。


「フフ、食欲あるなら大丈夫かな」

「白蘭、」

「ん、なぁに?」

席を立とうとする白蘭を呼び止める。
白蘭は手にしていたお盆をローテーブルに置くと、僕の声をよく聞こうと口元に耳を近づけた。

「え?、わ!」

ばふ、という羽毛布団の柔らかい音と共に白蘭の間の抜けた声がする。

「む…骸くん?熱でおかしくなっちゃった…?」

戸惑う白蘭の首に腕を回したまま目を閉じる。

「おーい?」

「眠いです…」

「え、うん…え?」


未だにもごもごとうるさいのは放っておいて。
息を深く吸い込む。

あぁ この匂いだ


今の白蘭が好んでつける香水だとかそんなものでなく…、
幼い頃、隣でふわふわ揺れるこの匂いが
大好きで大好きで

もうとっくに、
何処か遠くへ行ってしまったものと
もう戻って来てくれはしないのだと
諦めていたけれど


「……ここに、居たんですね………」




















翌朝。


「おはよー骸くべふぁ!?」

「…なんで貴方が僕のベッドで一緒に寝てるんですか…」

朝から容赦ない骸の拳を受けた白蘭は腹を抑え苦悶している。

「わ…忘れちゃったの?ここ僕ん家。僕をベッドに入れたのは骸くん。」

「……………………」

暫く呆けていた骸。

「………………ッ!!」

急激に顔が赤く染まる。湯気が出そうだ。

「思い出したー?」

「知りませんッ!!」

顔を枕に押し付ける。
いくら昔が懐かしくなったからと言って、白蘭にあんなことをした自分が恥ずかしくなった。


「あれー昨日は大人しかったのに」


それだけではない。

「僕もう学校行けません…」

生徒の前でキスされた。

「お!じゃあ骸くんは文字通り、僕ナシじゃ生きていけない、ってことだね!大丈夫!僕がちゃんと養ってあげるよ!」

「死んで下さい」

「ひっどいなー」

苦笑しながら抱き締めて、腕の中に閉じ込める。

「っ…ちょっと白蘭、離してくださ「あーあ、昔はあんなに可愛かったのになー」

「!」

勿論それに抵抗した骸だったが、白蘭の言葉に動きを止めた。

「…でも良かった、」

ぎゅ、

耳元に吐息がかかる。

「骸くんが元気になって…」


酷く嬉しそうに、安心したように、笑う白蘭

「……」

僕は頭を抱き寄せられて、白蘭の服の裾を握り締める。

『クフフ、びゃくらんはあったかいです』

『そう?ねぇ骸、汗臭くない?』

『いいえ、びゃくらんはいつも──』



「……いい匂いが します…」






fin.







後書き


な…何コレ白骸マジック…?;←

予備校講師×高校教員関係なくなってるし、雲雀さんが空気になってるしー!?;

て言うかそもそも何でパロディで風邪ネタ?
>@白蘭にお粥を食べさせてもらう骸さんが見たかった。
>A熱ってワリと大変ということを思い出したので骸さんに味わわせたくなった。

何故に思い出話へ?
>白骸マジックです。←


無計画にもほどがあります。すみませんでした。


あきゅろす。
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