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並盛中の日常/ある男子生徒の観察記録
#01

俺のクラスには、ちょっと変わった奴がいる。

…「ちょっと」と言う表現で足りるかは若干の不安が残るが、俺の精神衛生と安寧のため、そういう事にしておく。

あ、自己紹介が遅れたが、俺は並盛中学3年B組の瀬戸口という。
並盛中の校歌にあるような大も小もない、極一般的な、マンガで言うところのモブというか、せいぜい男子生徒AとかBとか、そんな人間だ。

そして、そのちょっと変わった奴と言うのは、ランボ・ボヴィーノ…在日イタリア人(という呼称で良いかは分からないが)だ。

昨年までは違うクラスだったので、同い年とは思えない大人びた外見を持つ、ちょっとアレな洋服センスの外国人留学生というのが、奴に対する唯一の印象だった。
…だった、と過去形で話さなければならないのが、俺にとっての不運と言えよう。

そもそもの起こりは、3年生のクラス替えで、新たな俺の席の隣に奴が居たこと。

女子にウケそうな、見た目の派手な外国人顔に反して(失礼)、在日歴が長く、普通に日本語を話すので基本的には一般の生徒と変わりはない。
それなりに子供で、それなりに大人で…そんな中学3年生の俺達と同様で。

そう……基本的には……だったが。













『ドン!』

という爆音と共に、俺の隣に居た牛柄君は居なくなった。

…いや、違う。

視線を下に向ければ、牛柄君の座っていた席には小さい子供が涙目になりながら座っていた。
グチャグチャに泣き腫らした顔にアフロ頭。
牛柄のツナギ服を着た、幼児。

…牛柄という点に非常に嫌な予感がよぎる。

「…おい…何が、起きたんだ…?」

疑問を投げ掛ける相手が目の前の幼児しか選択肢が無い以上、俺は戸惑いつつも幼児に声を掛ける。

それに反応して幼児が俺を見上げる形となった…俯き加減の時は分からなかった瞳の色を知ることとなり、絶望感がよぎる。

緑色のビー玉の様な大きな瞳を潤ませながらも、我の強そうな表情を見せながら幼児は言葉を返してきた。

「おれっちはランボさん。ボヴィーノのヒットマンだもんね!」

………絶望感は正鵠を射ぬいていたようだ。





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あきゅろす。
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