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並盛中の日常/ある男子生徒の観察記録
夏休み:本日はナンパ日和。

『海!夏はやっぱ海でしょ!?』

…ってどっちが言ってたっけ?

只今の気温、摂氏37度。
体温より暑い外気温なんて俺は認めん!

何の因果か、現在俺は並盛海岸に来ている。
……男3人…俺と牛柄くんと松尾で。

切ないなぁ…何故に男だけで来なきゃならんのだ。
こんなメンツなら市民プールで十分だろう。

「瀬戸口、何を言ってる!出会いは積極的に求めねば、あるわけ無いだろうが!」

……暑いってのに、それ以上に暑苦しい松尾。

「瀬戸口って枯れてるよね」

……非常に失礼な事を言い放つ牛柄。

……テメエら…。発情期の猫か。
しかしながら多勢に無勢。
俺の方が少数派として立場は弱い。

「…ナンパする気なら、その服装はどうよ?牛柄くん」

牛柄くんを知る大多数の人間が、想定するであろう事として、海に来る前に注意事項として奴には『牛柄海パンは不可』と申し渡してあった。

それに対して牛柄くんは、
『そんなの穿くわけないじゃん』
と言い放ち、そんな事を言った俺達を可哀相なヒトを見るような目で見ていた癖に。

……牛柄のパーカーは良いのか。

「パーカー着ないと日焼けしすぎちゃうよ?」

「………そうでなく」

「…数あるデザインから牛柄を選択する意図は?」

「…?牛柄、カッコイイよね?」

コテンと小首を傾げられても。
その意見は相当に少数派だと思うぞ俺は。

「牛柄海パンを穿かないのは何でだ?」

すかさずツッコミを入れるのは松尾。
そうそう。俺もそれは聞きたい。

「白い海パンは透けるもん」

『柄が入ってもちょっとアレでしょ?』
と付け加える牛柄くん。

…ああ。そもそも俺達のした注意事項への解釈が違う。
そこまで想定して、俺達も言わなかったが。





…もういい。俺はもうツッコまないから。

このまま、それでも良いっていう奇特な肉食女子に喰われろ。
オマエって案外、今流行りの草食系男子なんだと思う(牛だし)から、きっと上手くいくと思うぞ?





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もうちょい続きます。


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あきゅろす。
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