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六道氏と雷牛
番外編「沢田綱吉の思惑」

ドン・ボンゴレこと俺、沢田綱吉は、骸とランボに任務を任せて、一人執務室で事務仕事を片付けていた。


ボンゴレの守護者は皆、何故か単独行動を好む一匹狼タイプが大半を占める。任せればそれなりにチームプレーも出来るのだが、基本はあくまでも単独行動。

あの独立暗殺部隊ヴァリアーの連中の方が、よっぽどチームでの行動を好むのだから不思議なものだ。

実際、守護者の面々は個々の能力もずば抜けているから問題は無いのだけれど。

『でも、それって寂しいじゃん?』

というのが俺の思い。

で、俺は独自のスローガンを立てた。
それが『守護者助け合い強調月間』というものだ。

尤も、リボーンあたりに聞かれれば馬鹿にされること請け合いなので、あくまでも俺の頭の中で立てているものだったりする。

その犠牲者…もとい第一選考者が、武と了平さん。只今フランスで情報収集をして貰っている。
第二選考者が雲雀さんと隼人。アメリカでパーティに出席中。

…で、骸(霧の守護者は正式にはクロームだけどね)とランボに何をして貰おうかと画策中に、飛び込んできたのが先程の新興マフィア殲滅作戦。

他の二組より、いっそ清々しいほど接点がない二人。

あの甘えっ子でフェミニストのランボだから、クロームには優しいし結構懐いているのだけれど、骸をかなり苦手としているのが判る。
骸のマフィア嫌いを、マフィアの子供である自分も嫌い、と解釈しているんだと思うんだよね。ランボは。

俺の直感だけどそんなことは無いのに。

寧ろ、骸ってランボのことを気にしている節がある。

半身であるクロームを姉のように慕っているランボを嫌いにはなれないし、マフィアといってもボヴィーノの古いマフィアの気質はあまり嫌ってはいない。

て、言うかさ。俺に言わせれば、
ボヴィーノって本当にマフィアなの?
って感じ。

……異様な迄の情報収集能力と科学力は、他のファミリーに追従を許さないほどに神憑り的なのに、それを相殺してしまう程の脳天気な気質は、ある意味貴重だ。
そんなボヴィーノの伊達牛ランボもまた、神憑り的におバカで脳天気。

いや、能力は高いんだよ?

ボヴィーノ直伝の情報処理能力も、特異体質を生かした戦闘能力も。
学問だってアメリカの有名大学を、通信教育を利用して15歳で卒業しちゃったし。
ヨーロッパ圏なら通訳不要なほど、多数の言語を習得してるし。

…なのに基本はおバカ。

自身の能力の高さを自覚しないで、子供の頃に言われつづけた『阿呆牛』『三流マフィア』の呼び名を真に受けている。

身近にアルコバレーノ達が居た事も一因なのだろうけど。
年の近い(少なくとも外見上は)子供達に遅れを取り、コンプレックスを育ててしまった。

でも彼も17歳。
もうそろそろ、そのコンプレックスから解放されても良いんじゃない?



……そして骸も。

もう少しだけでも、信頼出来る友人がいた方が、彼にはきっと意味がある。
そのキッカケにランボを仕掛けたのは何となくだけど。


…面白い関係が成立するような気がしている。




…さて、骸とランボのコンビプレー。
成立するか誰か賭けない?

勿論、俺は『成立する』に給料1年分、賭けるけど?




END
ツナの独り言。オチは本編で。


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あきゅろす。
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