そして、僕らは秘密を共有する。
'09ランボさんパピバ
誕生日と言えばやっぱり、家族や仲間と過ごしたりしたい訳で。
…少なくとも暗殺者さんの相手するのは、TPOを弁えてよ…と言いたくなる。
まぁ、俺みたいな三流ヒットマンが狙われる様になったって事は、ある意味プレゼントかもしれないケド。
…それなりに存在を認められたってことだからね。
「でも、流石に子猫ちゃんとのデート中はいただけないなぁ」
「…誰が『子猫ちゃん』で『デート中』なんだ」
未だ、俺が気付いているとは思っていないであろう、暗殺者さん達に呟いた言葉に反応したのは、俺の横に居た子猫ちゃん…では無く子猫ちゃんの風体のリボーン。
…いいじゃない、アンタの衣類(女性専用のアレコレ)を買いに行くのに付き合ったんだから。
しかも俺がアンタの買った荷物を持って、さっきはカフェでお茶もして。
端から見ればデートでしょ。どう考えても。
せめて、気分くらいそんなつもりでいても許されるってもんでしょ。
「『子猫ちゃん』も『デート』も不可だ。気色悪ぃ」
「…気色悪いって…あんまりじゃない?」
「うるせぇ。ウザイ連中をさっさと片付けろ」
「何?手伝ってくれないの?」
「必要ないだろう?」
嘲笑うリボーン。
幼い頃は良く俺自身に向けられていたソレ(勿論もっとヌルいレベルだったけど)。
愚かな者へ向ける、最強のヒットマンたるリボーンの笑顔はとても冷たい。
今は特に、少女の姿なだけに死の深淵を思わせる笑みは、余りに異質で。
…なのにそれを綺麗だと思っちゃう俺は、多少オカシイのかもしれない。
「まぁ、折角ボンゴレが俺の誕生日祝うって、おっしゃって下さってるのに遅刻はしたくないしね…」
イタリアに帰って来てからは、ボヴィーノとボンゴレの兼業状態の俺を想ってか、両ボスの間で話し合いがあったようで、どちらも一年置きにパーティーを開いて下さる。
孤児の俺だけど、普通の家庭以上に多くの家族を手に入れた。
2つのファミリー…ボヴィーノとボンゴレ。
それはファミリーの結束を重んじるこの世界に於いて、稀有な…奇跡と言っても過言では無いほどの事で。
幼い頃、当たり前の様に与えられたこの幸運を今更に実感している。
神に感謝する心は持ち合わせていないから。
……この奇跡のきっかけとなった、
隣で嘲笑う黒き死神に感謝を。
……さあ。
さっさと不粋な輩に別れを告げ、俺達の『家』に帰ろう。
俺の体はパチリと帯電を開始した。
END
あんまり祝っていないなぁ(;´Д`)
当サイトでは珍しいヒットマンなランボさんでした。
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