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エタニティ

 些細なことで喧嘩になり、俺は誕生日にあいつから貰ったネックレスの礼をまだ言えていない。
 明日でいいか、明日でいいかと仲直り出来ていない気まずさから先延ばしにしてきた。喧嘩の事で謝るのも、ネックレスの礼も。でもいい加減仲直りしなきゃと思って電話したら。

「ああ、丁度よかったわ。今電話しようと思ってたところなの」

 あいつの姉貴が携帯電話に慟哭しながら出たから、なんとなく嫌な予感はしたんだが。

「あの子が……あの子が……」

 事故。昏睡状態。それらの言葉は、非現実的すぎて右から左に流れるだけ。それをどう信じろと? ついこの前まで元気だったあいつが昏睡状態なんて、どう信じればいい? 俺の脳内にはまだにこにこ元気だったあいつの姿しかないのに。

「すぐ来てあげてほしいの……。きっともう長くないわあの子」

 しどろもどろなあいつの姉貴は消え入りそうにそう言うと、待ってるからと電話を切った。
 病院に行かなければ、俺の中にいるあいつはいつまでも元気な姿のままだ。結局、あいつに会いに行かないまま三年の月日が流れた。
 今も俺の中には元気なあいつがにこにこしている。



end.
10 0612


マエツギ

あきゅろす。
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