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BASARA(+オリキャラ)小説
ツワモノ共ノ夢ノ地ヲ後ニ、_三成+慶次_!?劇場版(捏造妄想)ネタバレ
※ 【注意!】未だ"戦国版戦国BASARA"をご覧に成られていない方は、若干濁しては居ますが殆んどネタバレに近い所も在りますので、もし"知りたくない"と言った方は即Uターン願います! ※

※ "見た後だから全然読める"、又は"妄想だからOK!さ"、"全然構わないので読みます!"等といった方は、スクロールして下さいませ! ※
※ 戦国版戦国BSRのその後を捏造妄想しているとお考え下さい! ※
※ それでは、前置きはこの辺にて、お待たせ致しました!ハジマリハジマリ〜! ※






また…酒でも、飲めたら、いいのになぁ…



― ぽつり と呟くようなその言葉は誰へ向けられた言葉なのか...初め、三成はわからなかった。



 関ヶ原で中々決着が就かず次に持ち越された束の間に…"あの時、語った約束"通り、
石田三成は、"丁度"帰っていた加賀の前田領へとわざわざ前田慶次を訪れてやって来ていた。

 長い話に成るから…と慶次は三成の分も酒を用意して来た時には、初め三成は目の端を上げて肩を怒らせていたが、
慶次に『己を含めた二人の失敗談も在るし、一方的に語るには酒が入った方がいいのだ』などと…なんだかんだと説き伏せられて渋々了承するのだった。

 そして、ある程度語って暫らく段々喉の調子が悪くなってきた慶次を
珍しく看かねた三成が半刻程与えてタダ黙々と酒を飲むだけの暫しの沈黙が続いた時に、
慶次がふと思い立ったように呟いた言葉が先刻の其れで在る。


「貴様には、まだまだ私が知らない(秀吉様と半兵衛さま)御二方の事を語って貰わねば為らぬのだ…"語り尽く"すまでは逃がさんぞ」
 その慶次の呟きを三成は聞き付け、聞き咎めるように眉を顰めて睨み脅す様を
慶次は苦笑しながら肩を窄め逃げるつもりはない事を告げるのだった。

「あぁ…まあ、『いつでも』って、俺の方から言った手前、逃げや隠れもしやしないけどねぇ…た・ま・に、"怒り"ださなければぁ?」
先刻から慶次の話に…若干過剰に…イチイチ反応する三成が"手負いの獣"のそれに見えてきていた慶次は、
ツイツイ悪戯心に刺激されて"茶化し"を入れてしまうのだが。

「それは、貴様がぁ〜っ!!「まあまあ」
 そうして…まんまと慶次の思惑通りに喰ってかかろうとする予想通りの三成を窘めるように諭す。

「人の話を訊くのに、いちいち疑われたらさ〜ぁ言いたい事も言えなくなって、
話が中々進まなくなっちゃうんだけどね。
秀吉も、初めて会った頃は、会話能力酷かったけど…あんたも大概、
会話能力乏しいねぇ。其れにしたって…なんも、そこまで(秀吉の)真似しなっくて」

 そんな慶次の内心つゆ知らずの三成はいい加減イライラが募り募って終ったのか、
地を這うような声を出しながらすくっと立ち上がり…側に刀が在れば、即座に居合の構えをしていたであろうが、
本日は話を聞きに来ているので置いて来ているので今はない…拳を握り締めて殺気だって宣言するも、
「"前田慶次"ぃ…貴様っ!許可無く、今直ぐこの場で、暫滅して殺ろうか」

 いい加減、先刻から似た様なやり取りをして居て三成の扱いが若干わかって来ていた慶次は、
三成の凄みと殺気をもろともせずに切り札の様な言葉を切って捨てるように言う。
「別に好いけどねぇ?続き…"まだまだ言ってないこと"在るけどぉ…二人の事、聞けなくなっても好いならなぁ?まぁ、相手に成るけどぉ?」

「…チッ…」
 慶次の言い分も最もなので仕方なく…舌打ちをしながらも殺気を納めて大人しく座った三成に慶次は、
内心素直な可愛い奴だと思い、覚られぬよう酒を飲むかたわら密かに笑って隠した。

 実は、先刻の己の言葉を誤解して受け取ったらしい三成にどう誤解を説くかと、
あれこれ、ソレに合う言葉を思案していて、いい加減慶次は探り探りに切り出すことにした。

「あのさ、三成…俺も、お前よりは長く生きてるから…大切な人を一度に、無くしたり置いて行かれた者だから…おまえの気持ち、少しは解るつもりだ。
まぁ〜おまえさんは、認めてくれなくても良いんだけどなぁ?
前に政宗から"俺も殺す"って、聞いてたしねぇ…本当は、三成に言い訳をする気もなかったしぃ?
それでも…俺は、"今も"秀吉と半兵衛の友だって、思っているし言える。二人は〜どうだったか知らないけど」

 一息に言う様に慶次は其処まで言って苦笑して酒が入った杯を見詰める…いや、水面に映った淋しそうな己の顔か、又は話題の…。
それも一瞬で慶次は…今度は真剣な顔に成って話を続ける。
 先ほどから、いつのまにか三成は口を挟まないのは…その今まで見た事のない相手の顔と語る声に…ついつい引き込まれていたのだった。

「"友"だからこそ、俺は"二人"が"他の奴ら"から"非難される"ところなんか"見たくも聞きたくも"無かったし、
あいつらが"心を殺したり体を傷付けて"まで…"険しい非道な道へと進む"のならば、"身体を挺して其れを止める"のが、
"友"である…俺にとったら、"当たり前"のことだったんだ。
まあ…あいつらは其れも承知で最初から腹括ってたみたいだったってのは…"最後"にわかったことだけどな
…ははっ、ひどいんだぜぇ?バレバレだってのに!あいつらったらさぁ…」
 最後の方で若干笑った性も在り息が続かず其処でもう一度息を吸い、
そして堪ったものを吐き出すような息と共に…前置きは此処までにして…言うかどうか迷って居た事を告白する。
「そう…胸の内にしまったまま、誰にも言う気なかったんだけど…(傍で見ていた)お前にだけなら良いかなぁ〜って、思うから言うよ。
本当は俺、行く手を阻んだ後に…"小田原"と"瀬戸内付近"で死んだ筈の"あいつら"に"夢"で…遭ってんだよな」

「…な、にを言っている?貴様…夢など」
 何を世迷い事を述べるといった様なそんな三成に粗方予想していた慶次は、
構うこと無く己の首から下がるお守りを見つめながらフッと笑って、話しを続ける。
「多分、倒された後…意識がまだ残ってたんだろうなぁ…イヤ、旅立つ前だったからかぁ?
…まるで、昔のように三人で肩、並べてさぁ…少しだけ、やっと、話が出来たよ」
 其処で一度言葉を切り、三成の今だ信じて良いのかと困惑気味の様子を感じるも慶次は、
一度腹を括って口火を切ったので…そのまま言える所はとことん言って終おうと話を続ける。
「話しの内容は…言わないで置く。結局は…俺たちは…"互いの志は変えられなかった"ってことだからな。
だけど、これだけは…お前に言える。二人とも…今までした事に、後悔もなにもなく満足げに笑って逝ったよ。
腹が立つほどの…相、変わらずの物知り顔でなっ!」

「!?」
 其処で三成は…まるでふっ切る様な…自慢げな得意げに笑って言う慶次のその…先刻の重い空気との…ギャップも在り、
"慶次の話に引き込まれている感"やら"相手に二人を自慢する事の嫉妬"やらで、何んとも複雑な心境に…そして、
改めて慶次が己が尊敬する人達の友で在りこうして話を聞いている状況に…何かの力の様なものを感じずには居られず息を呑む。
そんな相手の事を気付く事無く空を見上げて其処でまた一息吐いて深呼吸して勢いを弱めて、慶次は三成に向き直りこう締め括ったのである。
「だからさ…"おまえさんも"、次は…竹千代…家康や、あの刑部と共にこうして話したり酒を飲み交わす事が出来たら好いなっ?って、さっき、そう言ったのさ」

 三成へと…まるで兄のような顔で静かに微笑み言った後、慶次はそうして酒を煽り己の杯に継ぎ足したて、
静かにまた空に浮かぶ月を据えながら…其れでは無い遠くを見据える横顔に憂いが蔭る様を…三成は何も言えずに眺めてしまう。
(あぁ!?………そうか、先刻の呟きは、私に言った訳では無く…)

― 其処でやっと慶次が、"誰"と...こうして、酒を酌み交わしたいかが察する事が出来たのだった。



〜 ツワモノ共ノ夢ノ地ヲ後ニ、想ウトコロハ 〜

(見て…みたかったかも、知れぬな…"三人集ったその酒の席"を…秀吉様の横顔と共に)


(完)

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《あとがき》(と、いう名の言い訳+ネタバレ)
 いや〜映画良かったですよ〜☆(←何度、思い返せど)
前情報と独自の予想してた部分も在りましたが、バッチリ驚きの展開も在りましたぁ〜!
 エンデングもティーエムさんの曲に合わせての!足軽ダンスの映画版☆…一番のツッコミドコロだった!スリラ〜のように激しかったよ〜(笑
と、偶にCD戦国ナビ【-関ヶ原編-】聞きつつも(若干難産気味でしたが)作成させて頂きましたよ!劇場版後を捏造妄想小説を!

 やはり一度あの突然デレたような三成を見てしまうと…慶次に三成を絡ませねば気がすみませんでしたので、何とか出来上がって良かった良かった!

 余り此処で多くを語るのも何なので…ここまで読んで戴きましてありがとうございました。


作成者:葵琉璃

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