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BASARA(+オリキャラ)小説
それでも、_慶次+かすが(注意:BASARA3ネタバレ)

― その噂が瞬く間に広まり、己が知って二日後には全土に知れ渡っただろう。

「…秀吉が、…死んだ」
 夜空の月を見ながら、ポツリと呟く慶次は、頭の隅で、
これからまた天下が傾き、数ヶ月以上は各地で戦が起こる事が予想出来た。
「…家康が、秀吉を…か」
 またポツリと呟き、懐からと"ある人"からの手紙を取り出す。

 随分前から、"返事はいつでも構わない"と渡されていた"北の友"からの手紙を開ける。
渡された時から今まで一度も読む事は無かったのは、
中身の観ずとも内容は大体推測していたからだった。

「…やっぱり、か…あんたらしいな〜…流石は"軍神さまさま"だぁ」
 まるで慶次が次"行動することは、理解してます"というような
…気遣いと受け入れに近い流暢な文面を
瞬時に読んで呟いた慶次の背中に殺気が飛んだ。
「わっ!と、…ヒドいなぁ〜、"あんた"は」
 振り返らなくても誰だか解っていた慶次は、
慌てず対処して懐へ手紙を仕舞った。
「…やはり、私はおまえが嫌いだっ!」
 そう叫んで目の前に降り立ったのは、
上杉謙信の直属の忍、かすがであった。
「よっ!かすがちゃん♪元気そうで良かったよ!」
「聴いてるのかっ!おまえは!」
 手を上げて挨拶する慶次に、
先程同様肩を怒らせて噛みつくかすがを宥めながらかすがの用件を瞬時に確認するように伺う。
「まぁまぁ、抑えて抑えて!
…それより、かすがちゃんが此処に来たってことは、
"北"にも情報が行ったみたいだねぇ」
 笑いながら声の質を下げた慶次に、若干調子を落としてかすがは、嫌そうに言う。
これだからコイツは嫌いなんだと、内心苦虫を潰しながら。
「う、むっ…そうでなかったら、誰がおまえの所など!」
 そんなかすがの態度に慶次は内心苦笑する。
(ははっ…ホント、相変わらずだなぁかすがちゃん)
毎回なので慶次はもう慣れているから気にせず、本題に入る。
「うん、だろなぁ〜それで、かすがちゃん。
かすがちゃんに言付け…いや、"返事"を謙信に返したいから、
頼まれて欲しいんだけど」
 慶次の"謙信"と言った馴れ馴れしい言葉にかすがは眉をピクリと上げたが、
腕組みして先を促がす。
「解っている…サッサと言え」
…サッサと済ませて戻るに限ると踏んで。
 それは、さて置き慶次はかすがに促がされて頷き、
真剣な眼をかすがの…後で話を聞くであろう上杉謙信に向けて言う。
「"後、あらかた用事が済んだら、後日正式にそちらへ志願致します。"」
 その真剣な慶次の今までかすが見た事のない眼に一瞬驚いたが、
そんな自分を誤魔化す様に慶次に確認する。
「ッ!?…それで良いのだなっ!」
 そんなかすがの態度で慶次は何か察したが、
目を細めて流し頷いてから、話の途中で己の雰囲気をいつものに戻す。
「あぁ、腹は括ったよ。
雪の中に骨を埋めるつもりでねっ…ってな訳でさぁ!
かすがちゃん、向こうでは宜しくお願いするねっ。」
「むっ!…(ハッ!?)誰がよろしくするかっ!」
 ニッコリ笑って告げられた言葉に頷きかけたかすがは、
途中で流されかけた自分を恥じて突っ込んだ。
「いやいや、そこを何とか。」
 片手を顔近くまで上げて拝みながらそう告げた慶次をキッと睨みつけ。
「問答無用だ!覚悟しとけっ!」
 慶次に指差してそう告げた後、
瞬時に消えたかすがに本日何度目かの苦笑をしながら呟き北へ顔を上げる。
「…あ〜あ、怒らしちゃったなぁ…」

 そしてそのまま"上"に浮かぶモノを見やりながら物思いに耽る。

― それでも、俺は…オマエの友で居たいんだ秀吉。

「…せめて、もし…万が一、あの世で逢えてたら…今度こそ、来世で幸せにしろよ…秀吉」
 太陽に目を細めながら慶次はそう呟く。
…逝ってしまった旧友を思いはせながら。


END

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《あとがき》(と、いう名の言い訳)
 やまなしおちなしいみなし…かな?
 秀吉さん御臨終の際の慶次の動きを妄想致しました!

と言いますか、公式発表のかすがの欄で、
二人の仲をヤキモキしているかすがが…可愛い奴だなぁ〜と!

 それより何よりBASARAで一番得してるの上杉主上だなぁと思いませんか皆様!
だって、…両手に花!(←公式で一番最初に浮かんだことです)
右に美しきつるぎであるかすが、
左に男臭い様で整った顔立ちの風流をこよなく愛する風来坊(兼文武両道の者兼友)の慶次、
そして、中央に性別不明の美人な戦術に長けた総大将謙信。
(軍神&忍&人の心を掴む男)って、…記述含めBASARAでも、
上杉軍ある意味、最強じゃあ有りませんか?(←美人淡麗揃い過ぎで!)
だから、他国に羨ましがられてたりしてね〜(北は奥州から南は瀬戸内組まで…とか:笑)

 ココまで読んで頂き有難う御座います。

作成者:葵琉璃

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