過去拍手文
B
もやもやする。
なんだ…この気持ち。


「おーい、みんなぁ!」


剣太郎の馬鹿でかい声が聞こえて、皆で急いで玄関先に出た。
海の方の道から剣太郎とダビデの影がこっちに向かって歩いて来る。
二人の手にはバケツがそれぞれぶら下がっていた。


「お前等、何処ほっつき歩いてたんだ、心配しただろーが!」

「えー、僕、ちゃんとサエさんに皆に言っておいてって言いましたよっ。ね、サエさん。」


振り向けば厭味な位に笑顔の色男。


「くすくす…サエも俺達に言ってくれないなんて薄情だよ。」

「そうなのねー」

「アハハ、だから大丈夫だって言ったろ?」

「…で、お前達は何をしてたんだ?」


話題を変える首藤。ナイスタイミング!
首藤が話題を変えなきゃ俺はマジでサエにキレたかも知れない。


「剣太郎がオジイの竿持って来たから、堤防で釣り。」

「「「「釣り??」」」」

「大漁ですよー!」


皆の笑顔が溢れる。
マジで気にしてたせいか、何だか俺は急に疲れちまった。

オジイが待つ縁側へ庭を回って行けば、オジイが既に七輪を用意してくれてた。






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