過去拍手文
A
結局アイツ等は日没になっても戻って来なかった。
サエの言う通りアイツ等もガキじゃない。
俺達は今日の収穫と重たい鞄を担いで、オジイの家に向かった。
「剣太郎とダビデは本当に何処にいったのねー?」
「クスクス、大丈夫だよ。鮫の餌になってる……なんて事はないから。」
「お前が言うと怖いぞ。」
俺とサエの前を歩くいっちゃん、亮、首藤。
二年前…中学校入学当時に戻ったような錯覚に陥る。
毎日、学校の部活が終わると、こうやって皆でオジイの所に行って、まだ小学生だったダビデや剣太郎達とテニスをして…
「ネ、バネ?」
「お、おぅ?」
どうやら俺はサエにずっと名前を呼ばれていたらしい。
気が付かなかった。
「らしくないな。ぼーっとしてたぞ?」
「あー、わりぃ。練習で疲れてっからなぁー…」
いつの間にかオジイの家の前に着いていた。
俺は、そんなにアイツ等が気になるのか?
いやいやいやいや!
いくらアイツ等でも迷子になんかならねぇだろうし。
アレッ?
じゃあ、俺は一体何が心配なんだ…
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