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外の世界へ!


甘めな雰囲気で一緒のベットに寝ているAgNとのご要望で御座いましたが…!あ、甘くない!ごめんなさいカステラ様…ッ!ただやっているだけのような謎なSSになってしまいましたが宜しければ受け取って下されば幸いです(文才がなくすすすみません!)


‐‐‐



窓ガラスの向こうをぼんやりと眺める。半分だけになった月が夜空にぽっかりと浮かんでいる。目を凝らせばその周囲で瞬く星を仰ぐことが出来るかも知れないが、流石に堅いベットの上では嫌気がさす。気を紛らわせる為に星でも数えようか。そう思いネロは、んっと息を呑んで首をもたげ、そのままの状態で目を細めたが、


「ッ痛ぁ!」


思わず仰け反る。ほぼ同時に、痛みの原因である男の背中を叩いた。


「そ…ぅ、がっつくなって…ッ、馬鹿!」


最悪。
息も絶え絶えだ。

男の成熟した肩に少年の未成熟な両脚が乗せられ、あまつさえ男の面は垣根の首筋を堪能していて。屈辱的であるが、今の体位は男が最も好きなソレでもあり、ネロが最も嫌いなソレでもある。無理にくの字型を強いられているのだ。夜通し貫けば、明日は脚に力が入るか分からない。


「離れ、ろって!」


手の平に力を込め、もう一度叩く。もう一歩遅ければ、悪魔の腕で男の背に穴を開けていたのかも知れない。が、どうやらその心配もなさそうだ。男は僅かに身を引く。下は繋がったままだが、密着していた体に隙間が出来たので息苦しさが無くなった。肩で大きく息をつき、ネロは上目遣いに男を睨む。差し込む月光に痩けた面がやけにおぞましく映った。


「ネロ」


「何だよ、アグナス」


投げやりに返事をする。男は――アグナスは、表情一つ変えずに言葉を募った。


「おおお前は、地球の裏側を見たことがあるかね?」


「はぁ?」


唐突な問い。
その意図が掴めず顔をしかめていると、アグナスはやはり無表情のまま、腰を突き動かす。


「いッ!」


痛いっつーの!


眉を寄せ、奥歯を噛む。アグナスの冷たい視線だけが死んだようにそこにある。生温かいのは下半身だけらしい、チクショウ。


「あれは私が19回目の誕生日を迎えた頃だったかな。まだ学生だった私は、十代最後の思い出として地球の裏側とやらをこの目で見てみたいと思ったのだよ。お前は外のことなどこれっぽっちも知らないだろうがね、大聖堂より少し離れた通りにその手の者には有名な古書店があったんだ。今は民宿になっているあの場所にだよ。その店はこじんまりとした物置小屋を改造したような小さな店で、しなびた胡瓜のような婆さんが一人で店番をしていた。いや、爺さんだったか。残念、覚えていない。なんせ随分昔のことだったから。まぁいい。何にせよ。その古書店のことだ」


淡々と述べる間に、アグナスは、腰を突き上げては波のように引いていく。古書店がどうのこうのと言うのだが、はっきり言ってしまえばネロにとってはどうでも良いことだ。マグロのように無表情・無反応な男。それだというのに、下半身だけは別人のようにやけに盛んで、激しくて。削るように迫る逸物は、ナイフだと思う。


「奥の棚に古い地図を見つけたんだ。フォルトュナを中心に添えた世界地図だった。指一本使って世界をぐるりと回ってみたよ。そうすれば、世界の裏側がわかったんだ」


「フォルトュナ、のだろ」


言葉を紡げば、あっと声を上げそうになる。瞬差で唇を咬み、それを制した。危ねぇ。


「世界の、裏側だ。どこを始点にするかで裏側は変わるものだよ。フォルトュナの裏側は山だったか川だったか…兎にも角にも、当時の私にはそれさえ分かれば良かった。翌日にはナップザック一つでフォルトュナを発った」


と、そこでアグナスはンンっと獣のように呻く。表情は、やはり崩れない。


「裏側は、どう」


どうだった?

疑問は言葉にはならない。アグナスの唇がそれを制したからだ。舌が絡まる。混ざるのは唾液と、わずかな呻き声と。


唇が離れる。

アグナスは、やはり鉄仮面のように無表情だ。ただ、瞳の色にやや翳りを見受けた。気のせいかも知れないが。


「裏側はどうだった?」

もう一度、問う。
早く行為を終えたい一心で。いや、それ以上に興味が勝ったのかも知れない。

アグナスは微かに唇を横へ引いた。笑っている、のだろうか。上手く読み取れない。なんとも表情の乏しい男だ。


「何か、言えよ」

更に問う。
問えば、間を置いて痩せた喉仏が揺れた。

「裏側には何もない。何もなかった。何かがあると思った。何かが変わると思った。だが、何もなかった。悲しいことに、何もなかったんだよネロ」


「ケッ、つまんねェ話しだな」


動きを止めたアグナスから視線を窓ガラスへ移動させる。

早く、アグナスがイッてくれないだろうか。こんなマグロじゃ、俺はちっとも気持ち良くなんねぇしケツが痛くて溜まんねえよ。


「ネロ」


「あ?」


「もう少し外の世界へ視野を広げろ」


「…え?」


ネロはアグナスの発した言葉の意図が読めず、いや、言葉の意図が理解できず、思わずキョトンとした表情を作る。年相応の、少年らしい表情だ。


「もっと外を、見せてあげたい」


「ちょ…おま…は、恥ずかしいだろ馬鹿」


アグナスがふっと笑う。ようやく笑った。
先の話はわざわざこれを言うために御膳立てしたのだろうか。何はともあれ面倒くさいことをするものだ。

ネロは笑って言ってやった。


「世界の話はよぉくわかった。分ったらこっちの話もきけ」


そこで言葉を一度きり、


「少しはこっちの身もいたわれよな」


首筋に腕を伸ばし、引き寄せる。頬にキスをすれば何故だか暖かな心地がした。


−ーー


甘くなくてすみません><
今後もどうぞよろしくお願いいたします!

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あきゅろす。
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