※官半のつもりで書いたが撃沈。
※恐らく半→官だと思います。
※私は余程、人の期待を裏切るのが好きだそうです。
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<初めは眼が合ったこと。>
黒い点を追い掛ける。
知らないうちに視線が追う。
ふと、点が立ち止まった。
くるりとこちらを振り返る。
不機嫌そうに額が寄っている。
珍しい。
にっと歯を出して笑えば「何が楽しい」とあしらわれた。
<或る日の昼下がり>
戦になった。
不思議と話す機会が増えた。
二言、三言の言葉の屑が小さな山になった。
毎夜毎夜、夜通し軍議を重ねるうちに、二人で朝日を見る機会が増えた。
「ここに布陣を」と伸ばした指が触れ合って、言葉の川がピタリと止まる。
病的に白いあの人の顔がこんなにも近くにある。
陽の光が窪んだ頬を暖かく包むものだから、俺は珍しく「綺麗だね」と言った。
<それから、それから>
次第に手を繋ぐようになった。
別に想いを告げたわけじゃない。
帰り際に後ろからそっと近付くだけ。あの人の指を掬いあげるように掴む、それだけのこと。
「官兵衛殿の指って冷たい」
「卿の指は女人のように小さい」
顔色一つ変えずに言うあの人。
俺ね。
こうして指を繋ぐのも、毎夜軍議を交わすのも、あなたの背を追い掛けるのも、今でもずっとずっと初めてなんだよ。
初めてのようにドキドキしているんだよ。
「バカ野郎」
汚い言葉を川へと沈め、冷たい指をぎゅっと握り締めました。
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サイト開設1ヶ月祝いSSはこれにて終了になります☆ありがとう御座います!官半のつもりが半官ですね!?前回書いたSSの方が官半っぽいですね!?
天の邪鬼ですみません(>_<)
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