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心精神
見えなかったもの




あれから、一週間。

僕は毎日お兄ちゃんと一緒に、
体育館にいっていた。


最初は全く乗り気ではなかったけど…
みんな面白くて、毎日毎日
行くのが楽しみになっていた。

なにより。
みんながバトルを本気でしている姿が、
とてもかっこよくて。

ついみとれてしまっている。



前と変わったこと。
それはーー



「漓真さん」


「ひゃうっ!

……テツくん、毎回毎回
驚かして楽しい…?」


「驚かしているつもりは
全くないんですけど…。」




黒子テツヤ。

僕が前お兄ちゃんに連れられて
来た時も、テツくんはいたらしい。

ーー全く気づいてなかった。


あの後、名前を呼ばれて
今みたいにびっくりしたのが始まりだ。


それから毎回毎回、名前を呼ばれる度に
驚くばかり。
本当、慣れないなあ…。



後は、むっ君が僕のことを
漓真ちん、と呼ぶようになったこと。

涼が僕のことを漓真っちと
呼ぶようになったこと。

僕がみんなのことを、あだ名で
呼ぶようになったことくらいだ。



「漓真。」


「…お兄ちゃん、どしたの?」


「今度の大会であたる、中学の
下調べをして来てくれないか?

桃井も同行してもらうつもりだ。」


「大丈夫だよ。

何中くらいあるの?
今日中に終わらないといけない感じ?」


「早目にしてくれれば助かるが、
大会までなら問題ない。

対戦しそうな相手のみ書いたから、
それだけ調べてくれればいい。」


「分かった。
さっちゃん呼んでくるね。」



お兄ちゃんの予想は、必ずあたる。
だから、多分余計な中学校は
調べないようにしているんだろう。



この中学がくるのが当たり前のような
顔で言ってくるのが凄いと思う。



「さっちゃん。」


「漓真ちゃん、どうしたの?」


「お兄ちゃんが、中学の下調べを、
さっちゃんと一緒にしてこいって…。

今平気?」


「うん、分かった。

丁度練習が終わったところだから、
全然大丈夫!
それじゃ、行こっか。」







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あきゅろす。
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