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Short story1
電波発信ちゅう

※R-15注意
※擬人化注意
※電波受信ちゅう高野side







俺のケータイが、最近人の姿になった。




「あ……、くぅっ…」



散々焦らすように弄んだ律の中心は、既に硬く芯を持ち、じわりと焼けるような熱を秘めている。

その蕩けた性器の先端を円を描くようになぶると、抱いた腰がピクリと揺れた。



「うあ…っやだ、それ、やめてください…っ」

「何が嫌だ。こんなにドロドロにしといてよく言うな」



身体は正直、とは正に今、この時のことを言うのだろう。

律は口では拒絶するようなことを言っているものの、その下半身は快楽による甘い密を垂れ流しており、説得力がまるでない。







この、俺の手による愛撫に恥じらいながらも善がり続けるコイツと出逢ったのは、約二週間前のこと。

そもそも半年前から俺のケータイだったので、出逢ったも何もないのだが。
とにかく、ある朝俺が目を覚ますとコイツがちょこんとベッドの上に正座して乗っかっていたのだ。


俺は丁度その前日の夜に友人と呑みに行っており、その為最初は酔って誰かお持ち帰りしてきてしまったのだろうと思った。



なんて面倒なことを。


そう昨晩の自分を責めていると、ジッと此方を見つめて来るのは不思議な色の澄んだ瞳。

その眼差しに釣られるかのように俺は手を伸ばすと、細い手首を掴み自身の腕の中へと引き込んだ。



どうせ、やっちまったんだから一回や二回変わりはしない。


開き直り、抱き寄せたそいつの首筋へと顔を埋めると鼻を擽るのは、ほのかな甘い香り。

短い間にも完全に準備完了となった下半身を宥めつつ、その白い肌へと吸い付こうとした、次の瞬間。


俺はソイツに思いっきりはたかれたのだ。






それが、俺達の最悪な出逢いだった。








「もう……っ、本当にやめてください!」



中心部を先走りでドロドロに汚し、今にも破裂しそうな程に膨らませている腕の中の青年。

そろそろ後ろも触ってほしい頃だろうと性器に這わせていた手を双丘の谷間へと滑らせると、その感触に我に返ったのか律は今思い出したかのように抵抗を始めた。



「で…、でんわ!電話が掛かって来たらどうするんですかっ」

「ほっとけ」

「でも……!」



主人がそう言っているというのに納得が出来ないのか、律は眉間に皺を寄せ困った顔をして抗議してくる。


しかもそれだけならばまだしも、両手を使い此方の手を押さ付けてくるものだから中々思うように先に進めず、あと少しの所で後ろの窪みへと到達しない。



俺の所有物のくせに、何という愚行なのだろうか。
主人に尻も触らせないとは。



「そもそも、お前がケータイのくせに感じるのが悪いんだろ」

「な……ッ!」

「ここだって、こんなに濡らして」



尻の谷間へと潜り込ませていた手を再び元の位置へ戻すと、ベタベタに濡れた立体感のある肉の柱。

その先端にあるカウパー液で潤った丸い部分をくにくにと指先で擦ると、律はウッ、と短く呻き声を上げた。

だがそれも一瞬で、直ぐに持ち直すと此方に鋭い眼光を向ける。



「いっ、今は人の姿なんだから不可抗力です!それに高野さん、彼女居ましたよね!!?」


「……は?彼女?」



聞き覚えのない、その単語に俺は首を傾げた。


彼女、なんていう分類に分けられる異性は今の自分には居なかったはず。
コイツは一体何のことを言っているのか。


しかし目の前の青年は、俺が疑問符を浮かべていることにも気付かないのか。
咎めるような眼差しを向けたまま、眉間に皺を寄せ怒鳴り続ける。



「そうですよ!それなのに俺と、こ、こーゆう事してたらマズいんじゃないですかっ!!?」

「つーか彼女なんて居ねーし」

「いや居ますよね!!?メモリに入ってますし、電話もしてたじゃないですか!俺はアナタのケータイなんですよ!!?」



それくらい知ってますと顔を真っ赤にして叫ぶその姿は、俺にある動物の姿を彷彿とさせた。



………あー、なんだっけか。
あの、小さくてキャンキャン吠える犬。

コイツはケータイというより、あれに似ている気がする。


すぐムキになって大声を上げるくせに、てんで迫力のないその容姿。
まさにそっくりじゃないか。



そんなことを思いながらも俺はポンポンと頭を軽く叩き、膝の上の青年を宥めた。



「わかったわかった。いいから早く挿れさせろよ、こっちはもう大変なことになってんだから」

「全然わかってないじゃないですか!!?」



しかもデリカシーがない、と子犬が何やら怒鳴っているがそんなのは無視だ。


慎ましく閉じられた挿入口を解す為、再び小さな窄まりへと指を這わせると、そこはさっき行為を中断させられたお陰で固いまんまだった。


本音を言ってしまうと直ぐにでも突っ込んでしまいたい所だが、コイツにだってちゃんと神経がある。
なのでグッと我慢だ。



…ったく、主人がこんなに思いやっているというのに、どうしてコイツはそれがわからないのか。



俺は抱きかかえた小柄な青年に聞こえないよう、こっそりと溜め息を吐くと秘孔へと押し込んだ指で内壁をさすった。



「…あっ、くぅ……」



指で押してみると案外柔らかい粘膜は、指先にぷにぷにと心地好い。

ギュウギュウと締め付けてくる入り口の割りには、指の進入を歓迎するように柔らかく指を包み込んでくる、淫らな器官。

そんな卑しい穴を押し広げるべく、ゆるゆると粘膜を擦り上げていくと律が欲に濡れた声を洩らした。



「どうした、気持ちいい?」

「ちっ、違いますよこの変態!そんなわけないでしょう!」

「……あっそ」



本当につくづく口の減らない奴だ。

もうめんどくせーからこのまま突っ込んでやろうか、この野郎。



しかし生意気な所有物の態度にはイラつくものの、流石にそんなことも出来ず。

怒りで更に熱を増してしまった自身の昴ぶりを鎮める為にも、黙々とケツの穴を弄っていると少しの沈黙の後、律が言い辛そうに口を開いた。




「……あの、」

「まだ何か」



あんのかよ、このガキ。

最後の言葉は敢えて口には出さずにそう問う。
すると律は暫しモジモジと躊躇し、俯いた。



「……な、……なかに、」



蚊の鳴くような小さく、細い声。

黙って待っていてやると律は言葉を続ける。



「中に出すのだけは、やめてください…」



だが生意気な青年の口から出てきたのは予想もしていなかった要求で。

俺は大分柔らかく解れた秘孔から一旦指を引き抜くと、俯く顔を覗き込んだ。



「なんで。そんなに俺のことイヤ?」

「そ、そうじゃなくて……」



真っ赤になった顔はモゴモゴと口ごもり、中々その先を言おうとしない。


前回だって中にぶち撒けてやり、コイツだってヒイヒイ善がってたというのに、なんだって急に。
女じゃあるまいし。


煮え切らない態度に焦れ、もう問答無用で突っ込んでやろうと自身に手を添えるとその瞬間、今まで黙り込んでいた律が小さく呟いた。




「……お腹、痛くなるんです…」


「…………。は?」





正直、拍子抜けだった。
まさかそんな答えが返って来るとは。


もう一度半信半疑で膝の上に座る青年の顔を覗き込んでみるが、その羞恥に駆られた顔色を見る限り、どうやら嘘ではないようだ。

そう言えば、大体セックスをした次の日はトイレに籠もっている気がする。



つーことはマジか。
マジでコイツ、腹イタが嫌で中出しすんなって言ってんのか。




……なんっつーか、




「お前、やっぱスゲー可愛いわ」

「な、何訳わかんないことを…っ!あっ、高野さん!」



ちゅ、と軽く首筋を吸ってやると、その白い肌に浮き上がるのは俺の物だと示す紅い印。

その鬱血を確認すると俺は臨戦態勢を維持し続けていた自身を掴み、すっかり柔らかくなった窪みへと押し当てた。



「たまにはご主人様って、呼んでくれよ」



ふにりと先端が押し込まれたと同時に、短く上げられる悲鳴にも近い、甘い声。


それにもう一度可愛いと呟くと、その時ふとコイツが先ほど口にした彼女、という言葉が頭を過ぎった。




「―――あ、」

「高野、さん……?」





そういや付き合ってた女、いたな。






―――――――
原作のお話は全然違います。

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あきゅろす。
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