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魔人特殊訓練養成学園(凍結)
第1話 決死の逃亡  3
とうとう5階まで来た。もう逃げ場はほとんどない。

(何回か悲鳴が聞こえたけど、底が抜けたんだろ。)

足音が聞こえてくる。こっちに来る!!

(まずいまずいまずい!!)

通常の三倍になった思考回路が回転している。そして窓を見つけた。そこから屋根へと上るとその直後に奴らが2人上がってきた。

ばれてはいない様子だった。しかし、

「おい、あそこの窓が開いてるぞ」

(ヤバッ!!)

しばらくの沈黙。そして、屋根のはしから顔がでた。

「いたぞ!!!」

その声で全員階段を駆け上ってくる。

(あぁ・・、まずいよまずいよ!)

周りを見渡すた。すると隣の建物の横にはしごがあるのを見つけた・・・が。

あまりにも遠すぎる。

ここは5階。落ちたらまず間違いなく死ぬ。戸惑っていた。逃げるには、あそこしかない。しかし、失敗すれば死ぬ。

その恐怖が相沢をしばっていた。

その間にも敵は屋根に上ろうとしている。

息が荒く、心臓の鼓動もいつもの何倍もの速さで打っている。

そして、

―ついに上ってきた。

それで完全に決心した。

(畜生ぉぉぉぉぉぉぉ!!)

走り出した。全速力で。

「おい!くそっ!!」

アサルトライフルを構え発砲してくる。今にもあたりそうだ。

相沢は屋根の端まで到達し、落ちるか落ちないかのところで足を屋根に叩きつけるようにして踏みしめ、そして足をばねにして飛んだ。

はしごに近づいていくにつれ落ちていく。そして・・

―はしごに片手が触れた。

それを逃さずはしごをしっかりと掴んだ。体は重力で落ちようとするが片腕でしっかりと支えた。

「うっ!」

腕が外れそうだった片手で全体重を支えたのだから無理はない。さらに、体もはしごに叩きつけられるようにぶつかったのだ。

敵は呆気にとられていたが、後から上ってきた奴はアサルトライフルを構えた。

「よせ!当たったら落ちるぞ!!」

そいつを慌てて制し、仲間達と急いで下に下りたが、追いつけるはずもなかった。

ーーー5ーーー

「痛ぅ・・・」

相沢は痛めた腕を押さえながら路地裏を歩いていた。敵は完全に振り切ったのだ。

(一体これからどうすればいいんだ・・・あいつらは誰だったんだ・・・?まあいいか逃げられたし)

曲がり角を曲がった。

―そこに女の子がいた。

髪は紺色で少し長く、黄色のカチューシャをつけている。年齢は10代だろう。

女の子は待っていたとでも言いたそうに微笑み。

「こんばんは」

と言った。しかし、相沢はその言葉を聞いていなかった。いや聞くことができなかった。なぜなら、顎に強烈な衝撃がきたからだ。

「がっ!?」

すぐにわかった。蹴り上げられたのだと。

平衡感覚が無くなり、意識も遠のいていく。そして、

―相沢はその場に倒れるのだった・・・。

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