ゆるゆる
反乱
パーティーが終わりに近付いた時に事件はおこった。
あろう事か要が愛夢を舞台裏で抱き締めてきたのだ。
「愛夢。愛夢。
俺はお前が一番好きで、大切なんだ。
俺と共にいてくれ。」
愛夢はビックリしすぎて一瞬固まったが要を突き飛ばした。
「…なんのつもりかなぁ?
蘭君はどうしたのぉ?ワザワザ俺の嘘の噂流してまで俺と蘭君の接触さえさせなかったのにぃ。
俺と別れた時に自分で言った言葉忘れたわけじゃないよねぇ?」
愛夢が怒っていた。弥彦以外の相手に。それは、さっき蘭と話した時の言葉に偽りはなく。
蘭の事を弟の様に大切にしているからだ。
要はニヤッと嫌な笑みを浮かべた。
「なーんだ。流石に騙されてくれないんだな。
もしもの時の為にお前を抱いた時のビデオがあるんだけど、鬼道に見せられたくなければ俺と鬼道のビジネスの仲介役になれ。」
耳元で伝えられた言葉に愛夢は顔を真っ青にした。
ただでさえ待ってもらっていたのに、他の男に抱かれてる姿を見られたら弥彦が傷つくんじゃないかと思いぎこちなく頷くしかなかった。
だけど、そんな愛夢に対しての卑劣な行いを許す筈もなく、震えて要と対峙している愛夢を後ろから抱き締めた。
いきなりの登場に要も愛夢も固まった。
「愛夢。大丈夫だ。
今、誉が学園内にあるこいつの荷物全て押収しにいった。
政宗はこいつのパソコンもチェックしている。愛華さんは片桐の家に向かっている。
お前の悲しむ物なんて残ってはいない。」
要は息をのんだ。
「残念だったな。
まぁ片桐はでかい家だから、日本経済の為に残すがお前は別だな。
両親も救ってはくれないだろう。残念だったな。
愛夢の純粋な気持ちを利用してきた代償は重いぞ。」
要を鬼道学園の生徒会に突き出し、震える愛夢を抱き上げてパーティー会場から出ていった。
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