ゆるゆる
3
愛夢は訳が解らずに要を見れば冷めた目をしていた。
「こっちに来てください。」
要は、愛夢の腕を乱暴に引き仮眠室に連れて行った。
後ろで蘭が『セフレなんて辞めろよ』とか騒いでるのはスルーだ。
バタン
と扉が閉まる音が響く。
「か、要?何が起こってるのぉ?」
愛夢が問えば要は振り返る。
その目は変わらず冷たいままだ。
「愛夢。別れよう。」
冷たい声が響く。
「な、なんでぇ?」
精一杯の声を振り絞る。
「私は蘭を愛している。」
その言葉に絶望をもった。
「なんで、会いに来てその話をしなかったのぉ?」
精一杯の声を出して問いかける。
「貴方と付き合っていたと蘭に勘違いされると困るからだよ。」
非道な言葉。
「か、勘違いってぇ…付き合ってたんだよね?」
震えそうになる声を堪えながら問いかける。
「ふっ。本当に君は純粋で単純だね。
君は本当に綺麗で心地良い。だからこそこの手で君の初めてを穢してみたかった。
それに親衛隊のウザイ申し出の良い風除けだったよ。
だが、お遊びはもうお終いだ。
愛する人が現れたからね。
くれぐれも蘭に手を出すなよ。」
最後にとどめの一言を落として要は仮眠室から出て行った。
愛夢はその場に崩れ落ち涙が零れ出すのを止められないで茫然とした。
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