空に星が輝く理由
満天の星空の元、ちっぽけな自分の体を月光に晒してみる。そうするとまるで力が満ちてくるようだから。
「私のォ〜お墓のォ〜まァえ「うるせーな、ちょっと黙ってろ」…うお!」
全然気づかなかったがすぐ近くにサディスト沖田がいた。私の座っているのが土手の上の方だったから下が見えなくて、悔しいことに気配にも気づかなかった。
つうか機嫌良く歌ってたの思いっきり聞かれたじゃねーか!
「いっいたのかヨ!何アルかお前、私のストーカーアルか!」
「てめーの方が後で来たんだよ。つうかなんで千の風?」
「銀ちゃんのがうつったネ…」
「あっそ。ところでお前今何時だと思ってんだ?ガキはそろそろ帰りな」
ガキ扱いされるとムカつく。お前だってまだガキだろ。
「まだ9時じゃねーかヨ。お前こそこんな時間にこんなとこで何してるアルか」
「…会話してた」
「会話?え、お前大丈夫アルか?他に誰もいないヨ」
「じゃあお前は何してたんでィ」
「マミィにいろいろ報告してたネ」
「…大丈夫かな俺、お前と同じこと考えてて」
サド野郎の呟きは今日だけ無視してやる。私はある一つの綺麗な星を指差した。
「アレ!あの星がマミィアル!」
「どれだかわかんねーよ。…んじゃあれが姉上でィ」
サドも指差していたけどやっぱりどれだかわからなくて。きっとお互いの心の中でしか見られない星なんだろう。いやまぁ本当のところ遠くの物を指差されてもわからないからなんだけど。
しばらく黙って二人で星を眺めてからそれぞれの帰路へ着いた。
あいつとの約束は、
今夜の二人を忘れること―――
夢のないこと言いますが、
星は宇宙のゴミです。
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