いざ交戦!(3Z)

まさか、そう思って後ろを振り返ると本当にそいつはそこにいた。

赤い瞳を鋭く光らせ、今私の目の前にいる私と同じ髪色の男を睨み付けている。

「テメーか、」

サディストは口元を微かに震えさせながら言った。

「俺のノートに"ロリコン"って書いたのは」

…は?

「そうだけど、それが何?」

「俺はロリコンじゃねェ。奴が勝手にガキなだけでィ。それに学年は同じ設定だし」

「そりゃアンタが都合の良いように解釈してるだけだ。でも…成長したネ、神楽」

サディストとの会話も途中に、兄の神威は私に視線を向けてきた。

「当たり前ネ。まだまだ成長するアル。ていうか唐突に何アルか」

「だってサ、沖田くんとやら」

「チャイナの前にテメーをやらねーとな…」

「オイオイそりゃゲームでいう、中ボスの前にボスを倒すような話だよ?まぁ俺をボスとするならばこいつは雑魚か」

「誰が雑魚アルか!」

「おもしれェ。相手してやらァ雑魚の後で」

捻り潰してくれるわ貴様らなんて!チクショー絶対泣くもんか!




ところ変わって、対決の舞台は私と神威の家。

「さぁ始めようか。沖田くん、ちょっとそこのコードとって」

「これかィ?ほい」

「あーどうも。ハイ神楽1P譲るよ」

兄からコントローラを受け取ってしかめっ面。だって対決ってゲームでかよ。せっかく暴れられると思ったのに。

「どうしたの?神楽いつも1Pでやりたがるじゃん。もしかしてゲームじゃ不満?でもゲームなら直接触れないで済むしいいでしょ?」

「オイお前俺が喧嘩中チャイナに何してると思ってんだよ」

「ポチっとな。あ、始まるヨ〜」

今ここでリアルに首締めるのはアリだろうか?何故かコントローラを持つ私とサディストの間に座る兄にうざいと言わんばかりの視線を送るといつもの笑顔が向けられた。



YOU WINの表示が出たのはサディストであった。奴は女の私に非道な闘い方をやってのけたのだ。

「グスン、酷いアルこんちきしょー」

「てめー俺を誰だと思ってんだ」

「妹の仇は俺が打つ。見ててね神楽。じゃあ替わって」

あ…私が負けると見越して1Pを差し出したな。自分が1Pをやりたいから。最低だ死ねクソ兄貴!

「ただ勝負するだけじゃあ面白くねぇ。罰ゲーム決めやしょうぜ」

「じゃあ負けたら明日学校では"俺はロリコンです"って書いた紙を張り付けること」

「お前の場合シスコンな」

「「いざ勝負!」」



もう勝手にしてくれ…











沖神兄第二段。
難しいですね、これ。
勝負の結果は敢えて書かない。




あきゅろす。
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