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水城優奈さまより。
Miniaturgartenの水城優奈さまに相互記念に頂きました!




【キミと共有する温もり】


※保健医ブレイク×国語教師ギルバートの話で、【君の前でだけは】と微妙に繋がってたりします。







幾つもの白く冷たい粒が空から、ふわりふわりと舞い落ち、溶けて地面へ丸い染(し)みを作る雪。
だがそれも、時より吹くこの季節の風(木枯し)によって煽られ、地面以外のあちこちへ散らばっては溶けて消えていく。

早いもので秋も終わりを告げ、既に冬が到来していた。


学園の敷地外の道を行き交う人々は――コートやダウンジャケット等を着用している。また、上着を羽織るだけではなく、手袋を着けマフラーを巻いている者…と、皆それぞれ防寒対策は万全のようだ。
中にはマスクを掛けている人も居て、冷たい空気を吸わないようにしているのか、若(も)しくは既に風邪を引いてしまっているからなのかもしれないが。



「…雪、か…」

保健室の窓から見える、外の光景をボーッと眺めていると、

「ギルバート先生。今日はワタシと歩いて帰りませんカ?」

よく聞き慣れた声に尋ねられ、後ろから抱き竦(すく)められた。

「え?ブレイクって…確か、車通勤じゃなかったか?」

身動きが取れない状況ながらも、何とか首だけを動かし問い返すギルバート。

「エエ、そうですケド。今朝は自宅前の道路が凍結してて、まだ“スタッドレス(滑り止めのタイヤ)”に履き替えてなかったし、朝っぱらからチェーンを巻くのも面倒だったので、仕方無く電車で来マシタ」

溜め息を一つ漏らし、大袈裟に肩も竦(すく)めたかと思えば、愚痴混じりに事情を説明するブレイク。

「なるほど。それでか」

「あと、よろしければ……ギルバート先生が行ってみたいと仰(おっしゃ)ってたお店へ、ご案内しようかとも思ってるんですガ、帰りにどうデスカ?」

ギルバートが見得(けんとく)のいった顔で頷いたので、デートへ誘うように彼へ然り気無く問うた。

「え、オレがか?――ああ。あの店の事だったら…是非とも、連れてって欲しいな」

最初、自分が言った覚えは無いという物言いだったが、思い当たる節があったのか、急に無邪気な笑顔になり行きたいと主張するギルバート。

普段、仏頂面が多いと生徒や教諭陣に言われがちな、彼が恋人にだけ見せる本当の表情(かお)。そう、恋人(ブレイク)だけが知っているのだ。

「じゃあ、決まりデスネ。行きましょうカ!」

満足そうに笑むと、ブレイクは上機嫌で保健室の戸締まりをし始めた。ギルバートと帰る支度である。



――それから二人で学園の門を出、通学路から少し逸れた道の辺りで、そわそわと何だか落ち着きのないギルバートの手へ自分の手を重ね合わせた。

すると、

「ぶ、ブレイク?!」

突然のことに驚いてか、不自然なくらい裏返った声で彼。

「冬で風も冷たいですし、こうした方が二人とも温かいデショ?」

「…う、うん…」

「あ、それとも…ワタシと繋ぐのは嫌でしたカ?」

「そ、そんな事…ないっ!……寧ろ、う、うう嬉しいし…」

「…なら、良かったデス」

真っ赤に染まった顔で素直な気持ちを述べてくるギルバートを見て、人目を気にせず抱き締めたくなったが、彼はきっと恥ずかしがるだろうと考え、今は手をギュッと握り返すだけに止(とど)めておく。

キミの手と触れ合い重なることで生まれるこの温もりを、できるだけ長く共有していたいから。手放したくはないから――…。





fin.




水城さまありがとうございますっ!!あああ何だこのかわいい2人…っ、読みながらにやにやしっぱなしでした!
本当にありがとうございましたv




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あきゅろす。
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