少年小説
二人の告白
頭良くてクールでカッコいい駆兄ちゃんと、漢らしくて明るくカッコいい俊兄ちゃん。
もちろん、二人とも信じられないくらいモテるんだけど…彼女はいない。
だって、二人の恋人は…僕なんだもん。
ことの起こりは、僕が初めて夢精した日の夜。
僕は初めてのことだったし、何か変な病気なんじゃないかって…不安で夜まで何も言えずに濡れたパンツを隠して落ち込んでたんだ。
そしたら、二人とも心配そうな顔して「何があったんだ」と聞いてきてくれた。
僕は不安だったのも手伝ってつい泣いてしまい、ことの顛末を鼻すすりながら二人に話した。
すると、二人ともちょっとにやけたような?…変な顔で
「変なことじゃない」
「男ならみんな通る道だ」
「大人になってる証明だよ」
―と教えてくれた。
僕は、ホッとして二人にお礼を言って笑ったんだけど…
なんか二人の様子がおかしくって…思わず首を傾けてしまった。
お互いをちら見しつつ、僕の方を赤らめた顔で見る二人。
特に駆兄ちゃんなんて、表情こんなに変化することないから、珍しくってついついマジマジと見てしまった。
―そんな、不思議な空間の中、兄ちゃん二人はまるでシンクロしているみたいに同時に深呼吸して…
『歩、俺をお前の恋人にしてくれ!』
と二人とも一言一句違わず、同時に告白された。
この夜僕の絶叫がこだましたのはいうまでもない。
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