少年小説
優等生の素顔
「有栖川君って凄いよね!」
「ほんとほんと、同じクラスで鼻が高いよ〜」
数名のクラスメイトが僕を取り囲むように立って僕を賞賛している。
いつも思うけど、こいつらは何が楽しいんだろう?
単に同じクラスなだけで、格別親しいわけでもない。
だのに僕がテストでいい点取ったり、作文なんかで賞を取ったりする度に今のような状況になる。
まぁ、思ってもそんな表情おくびもださないけどね。
僕はニコリと微笑みながら席を立つ。
「委員会の仕事あるからから席を外すね。」
そう言うと周りはバツの悪そうな顔をする。
「ごめんね!忙しいのに…迷惑だった?」
中の一人がそんなことを言ってくる。
…そんなの普通に考えればわからないかなぁ?
と思いつつも僕は笑顔を崩さずに
「そんなことないよ。僕も楽しかったよ。こっちこそごめんね。」
そう答えると彼らは安堵の表情になり、教室を出る僕に笑顔で手を振っている。
そんな彼らの方を見ずに僕は教室を出た。
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