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しあわせの唄がきこえる
006※


「ひっ、いきなり何やってっ……!」

ベルトを外されズボンを下着ごと中途半端なところまで脱がされる。あまりに突然でつい情けない声をあげてしまった。

「何って、今からテメーの穴に突っ込むんだよ。それ以外ねーだろ」

「う、うそ。嫌だっ」

いくら色んな男と簡単に関係を持ってきた俺でも、こんな厄介そうなドS野郎に好き勝手されるのは抵抗があった。もし俺が暁だったらこの時点で恐怖のあまり気絶しててもおかしくない。俺は襲われそうになった経験がないわけではないのでまだ冷静ではあったが、手足の自由を奪われたのは初めてでこれまでにない絶体絶命のピンチだった。幸か不幸か今は暁として振る舞うしかないのでアイツを装うためにも心底怯えることにしよう。もしかすると油断した羽生がこの拘束を解いてくれるかもそれない、という淡い期待も持って。

「やめてください先輩! なに、あっ……」

どこかから取り出してきた軟膏のようなものを尻の穴に塗られ身が固まる。なぜそんなに用意周到なのか。手つきも慣れてやがるし普段からそういうことにこの場所を使ってるということなのか。そりゃ暁も顔を見たらすぐ逃げ出せというはずだ。

「あっ、あ、んっや、だ…っ」

素直にできあがっている俺の身体はゴツい指で刺激されて簡単に感じてしまう。なんともお手軽なこの身体が憎い。そうこうしているうちに下半身は見事に脱がされ無様な姿を初対面の男にさらすことになった。

「てめぇ、やっぱり崎谷と関係あったんだな。あっさりくわえこみやがって、これで反応するとか相当あいつの好きにされてたみてーだな」

「んっ、あ、あ、ああっ」

一定のリズムで指を抜いたり差したり広げたりされて女みたいに喘いでしまう。突然の押し倒されて逃げ出すことしか考えてなかったが、こいつはだいぶ手慣れているみたいだったし顔だって好みじゃないが悪くはない。本命だったセフレ候補にばっさり断られてしまってどうしようかと思っていたところだ。こいつを新しい候補にしてもいい。向こうがレイプしてるつもりだっていうのはなかなか斬新だが。

「あんまり慣らさなくても入りそうだな」

羽生がベルトを手際よくはずし、自分のブツを取り出す。そのグロテスクなものが見えた瞬間、俺はみっともなく縮み上がった。

「な、なんだよそれ!」

「あ?」

「んなデケーもんが入るわけないだろ!」

男のモノなんて他人のも含めて見慣れているが羽生誠のそれは今まで見たこともないような大きさだった。さすがの俺でもお断りしたぐらいに。驚きのあまり素に戻ってしまった程だ。

「はあ? 入る入らないじゃねぇよ。無理矢理突っ込むっつったろ。ほら、早く勃たせろ」

「なに言って……んっ」

反抗しようとした俺の口に奴の馬鹿デカイ性器の先端が捩じ込まれる。どちらかというと小さめの俺の口におさまるわけもなく早々につっかえた。顔をそらして逃げようとしたが頭をがっちり掴まれていてはどうしようもない。

「ほら、入らねぇなら舐めろよ。噛んだらぶっ殺すからな」

「やっ、やだ、」

頑なに口は開けなかったので顔中がベタベタして気持ち悪かったが、もちろん顔を拭くことはできない。諦めてしまえば楽なのだろうが、あんなの入れられたらいくら俺でも身体がもたないだろう。
なかなか口を開こうとしない俺にイラついたのか、また何度か殴られた。めちゃめちゃ痛かった。

「ははっ、何かお前殴ってるとテンション上がってくるわ。舐めてもらわなくてももう良さそーだしな」

見ると目の前の奴のモノがさっきよりも質量を増している気がした。どうやら俺を殴っただけで勃ったらしい。あっさりと股を開かれた俺は最後の力を振り絞り全力で暴れた。羽生は立川暁に意外と力があることに少し驚いていたが、体重をかけて押さえつけられれば最早抵抗なんてする気力さえなくなるほど俺は無力だった。

「先輩、やだ。やめて、入れないで」

ほとんど無意識に奴に向かって懇願したが、もちろんやめてくれるわけもなく。羽生の規格外のモノがテキトーに慣らされた俺の穴に押しあてられる。そしてそれは容赦なく俺の中に無理矢理入り込んできた。

「ああっ、あああ!!」

あまりの痛さに仰け反って悲鳴をあげてしまう。息もまともにすることができない。絶対入らないと思ったそれはやはり簡単には入らなかったらしく、羽生は俺の両足を抱えてそのまま捩じ込もうと奮闘していた。

「あれ、くそっ、もっと楽に、入ると思った、けどっ、きっつ……」

「あっ、あ! も、無理、うああっ!」

ぐいぐいと熱くでデカイものが押し入ってきて、俺の視界が滲んできた。聞いたことのないような悲鳴に近い喘ぎ声が口から飛び出してくる。諦めたのか、なかなか入れられないことに苛ついた奴の律動が激しくなり、俺の身体は乱暴に突き上げられた。

「あっあ、痛い! 痛い! 抜いてっ」

「うっせぇな、ちょっとは、我慢しろっ。そのうち、気持ちよくなっから」

「あああっ」

俺のモノはすでに萎えまくっているしこれで気持ちいいなら相当なマゾだ。だがむしろ苦痛を味あわせてやりたいと思っているらしい羽生には俺の快感なんかどうでもいいのだろう。俺じゃなくて暁だったら発狂してたな、と揺さぶられながらも頭の片隅で考えていた。
とにかく早く終わってくれとひたすら耐えていた俺の顔をぐっと掴む羽生。反応する間もなく口を奴の口でふさがれ、あろうことか舌を絡めてきやがった。

「んっ、んんっ」

どうして羽生はキスなんてしてくるのか。性欲処理と暴力にそんなものはいらないはずだ。奴が出たり入ったりをゆっくりと繰り返す中、みっともなく開いている俺の口は何度も噛みつくように塞がれた。

「立川、お前崎谷とやってた時って、どんな感じだったわけ? 奴はもっと優しかったか? どうせアホみたいにキスばっかしてたんだろ、こんな風にさ」

そう言って再び俺の口の中に入ってくる舌に余程噛みついてやろうかと思ったが、まだ奴のが中にあって縛られているこんな状態ではそれはできなかった。結局俺はそのままろくな抵抗もできず、奴のされるがまま。容赦なく腰を打ち付けてきた羽生は、意識が朦朧とする俺の中で精を吐いた。


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