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日がな一日
005※


「そんなに挿れて欲しかったんだ? ごめんな、柊二。俺わかんなくて」

「嘘つき……っ」

「ははっ、まだ拡げきれてないから、挿れやすいように柊二も協力してくれよ。ほら、手でここ押さえて」

「……?」

夏目に誘導されて後ろの穴を強く引っ張らされる。ローションの滑りがあるのですぐ手がすべってしまうが、瀬田は早くこの恥ずかしい格好をやめたくて一生懸命指示に従った。

「お尻もっと上げて、足も大きく開いて」

「夏目くん……早く…俺ちゃんとやってるから……」

「もう? これずっと見ててぇんだけど、そんなに柊二がいうなら仕方ないな……」

先端を押しあてられ、あんなにねだっていたはずの瀬田の身体も強張る。もう十分だと思う程しっかりとほぐされていたはずだったが、押し入ってくる質量にのけ反って首を振った。

「ああああっ! ま、待って…やめ…」

「柊二可愛い…すっげぇ……」

「あっ…あっ……止め…」

突然根元まで押し込まれて、驚きのあまりさらに涙が流れ出す。まるでその過程すら楽しんでいるみたいにほぐすのに時間をかけていたおかげで痛みは少ない。しかし夏目は容赦なく中を突いて、逃げようとする瀬田の足を掴んで離さない。

「可愛い…っ、その顔ほんとたまんねぇ。好き、好き、柊二、こっち向いて」

時間をかけて拡張した瀬田の中をいっぱいにして、夏目が激しく動く。待ちかねていた刺激は瀬田には強すぎて、許容量を超えていた。こんなに気持ちがいいのは、相手が夏目だからなのかそれとも自分が慣れ始めたからなのか。感じて大きな声を出しているのがはしたなく思えて、精一杯夏目に手を伸ばした。その手を握って微笑みかけてくる彼を見て、心の底から繋がっている気がした。

「柊二、痛くない? もっと、動いてもいい?」

「……うん」

柊二も不満がまったくないわけではなかった。なぜかいつも自分が下だし、男として対等に思われてないのではないかと悔しかったこともある。けれど夏目におねだりされれば、どんなことでも頷いてしまいそうだった。

「柊二の中、熱いし俺のを締め付けてくるし…ぐちゃぐちゃでエロいし、突いたらビクビクして悶えてるし……」

「……そんな…、こと、言うな…よぉ」

「生でやったらどうなるかな。柊二の一番奥に中で出したら、俺だけじゃなく柊二も気持ちいい?」

「ああっ……あ、あっ、ああ……!」

最深をぐりぐりと突かれて何も考えられなくなる。夏目の手に自分の勃ち上がったモノを触られて、何をされても快感しかなかった。

「そこは、そこは駄目っ。もうやだぁ……」

「そこってどこ? 柊二の可愛いのを握ってる手? それとも中で今にもはち切れそうになってる俺の?」

「両方…! わかってるくせに…っ」

「柊二こそ男ならわかんだろ。途中でやめるなんて、無理に決まってる」

「だって、も、夏目くんのが良すぎて……俺ヘンになっちゃうから、だから早く……早く夏目く……」

「柊二、そんなこと言って俺を殺したいの? 柊二になら殺されてもいーけど、の前に俺にヤり殺されねぇようにしないとなっ……」

その言葉と同時に、夏目の欲望を激しくぶつけられまともにしゃべることすらできなくなった。ずっと刺激され続けた瀬田は射精して、ほぼ同時に夏目もゴムの中に出した。安堵と解放、それを得ると同時に瀬田は意識を手放した。





誰かが自分の身体を温かいもので拭いている。それがとても心地よくて瀬田は目が覚めた。

「……んっ……」

「あ、起こした? 悪い柊二、まだ寝てていいから」

「夏目、くん……」

「だいたい拭き取ったけど、起きられるようになったらシャワー使って流せよ。ごめん、やり過ぎた」

半裸の夏目に謝られ、首を動かして時計を探す。覚醒してすぐのせいか先程までのことがまるで夢のようだ。

「今二時半すぎだよ。ほんとはずっと側にいたいけど、さすがに二人とも帰らなかったら怒られるからな。戻ってくるまで、ここで待ってて」

「夏目くん……」

俺も行く、と身体を起こそうとしたがうまくいかなかった。やり過ぎた、というのは本当らしい。

「柊二、怒ってる?」

不安げな夏目に訊ねられて、瀬田はぼーっとする頭で考える。怒ることなんて何もない、と思いつつも何か言ってやらねばという気持ちもあった。

「怒っては、ないけど」

「けど?」

「……最中、何であんな意地悪なんだよ」

「意地悪って、どのあたりが」

「アブノーマル変態野郎だったじゃん」

瀬田の言葉にわかりやすくショックを受ける夏目。寝起きなので思考が働かず言葉をオブラートに包むことができなかった。

「あれは……その、妄想の中ではやりたい放題やってたから、そのクセが抜けなくて……」

「妄想??」

「言っとくけど、俺すげー我慢した方だからな! 妄想ん中じゃ柊二はもっとヤバイことになってたんだから!!」

あれ以上のヤバイこととは一体何なのか。知らない方が幸せかもしれないが、彼の自制心がいつなくなるかわかったものではない。あらかじめ心の準備をしてた方が身のためだろう。

「じゃあなに考えてたか言ったら許す」

「……嫌がる柊二を拘束して強制フェラとか、泣いて暴れる柊二を押さえつけて無理矢理中出しとか」

「いや何でそんな凌辱系ばっかなんだよ」

「両思いになるよりは真実味がある妄想だったから!」

てっきり椿や孝太のように謎の自信に満ち溢れて告白してきたのかと思っていたが、夏目の中ではちゃんと片想いだったらしい。なんとなく切なくなったので、瀬田は項垂れる夏目の頭を撫でた。

「やりたいことあるなら協力するよ。夏目くんなら、別にゴムつけなくてもいいし……」

「!?」

まさかの言葉に目を輝かせる夏目。椿とはつけてなかったから本命相手に断れない、というのが理由の一つだというのは言わないでおく。

「じゃあ、ハメ撮りとかもしていい?!」

「いいわけないじゃん!」

「何でだよ!」

「記録に残るとか嫌だろ! 誰かに見られたらどーすんだ」

「俺が他人に見せるわけねぇし」

「それでも絶対嫌! 勝手に撮ったりしたら死んでも許さないからな」

素直に頷く夏目だがどうも視線が泳いでいて怪しい。じっと疑いの眼差しで夏目を見ていると、観念したのか小声で白状した。

「柊二が寝てる間、一枚だけ撮っちゃった……」

「はあ!!? なんだよそれ! 今すぐ消してよ!」

「いやでも、あれはそういうやつじゃ……」

「いいから消せ! いや、俺が自分で消すから携帯だせ!」

別人のように豹変して怒る瀬田に夏目は頭を下げながらロック解除した携帯を差し出す。頭にきながらも夏目のフォルダを見ると、そこにはすやすやと眠る瀬田の顔が写っていた。

「ハメ撮りじゃない……」

「当たり前だろ! そんなの許可なく撮らねぇし。これはあんまり無防備に寝てて可愛かったからつい撮っちゃっただけで……」

「……そっか、そりゃそうだよな。怒ってごめん」

どんなあられもない自分の姿が写っているのかと怖々だったが、まさか寝顔の写真だとは。間抜け面にしか見えないが夏目にはこれが可愛く見えるらしい。

「でも消去っと」

「ぎゃーーー!! 何してんだ柊二ーー!」

「だってこれはこれで恥ずかしい」

容赦なく寝顔写真を消して、他にも画像がないかついでにチェックする。ストーカーだと自分で言うくらいだから、何か他にもあるかもしれない。

「おい柊二、携帯かえせって」

「変な画像がないかチェックしないと」

「ないない! ないから返せって!」

力わざで携帯を取り返した夏目は余程今の写真に未練があったのが目に見えて落ち込んでいた。瀬田は謝りながらも悪びれることもなく、夏目の頭を優しく叩いていた。


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