ストレンジ・デイズ
□シスコンで悪いか！
いや実のところわかってはいたんだ。ただ信じられなかっただけで。というかいまだに信じられないんだけどな。
ことの起こりは今日、春休み真っ最中のある晴れたのどかな朝から始まった。いやその前に、紹介しておいた方がいい人物がいる。
俺の妹だ。
妹、真宮怜悧(ﾚｲﾘ)はお兄ちゃん思いの可愛い奴。クリスマスには俺の似顔絵を描いてプレゼントしてくれるし、誕生日には俺のためにケーキを焼いてくれる。普段は自分でドアも開けないのに。
せがまれていたヴィトンのバックをプレゼントすれば｢お兄ちゃんありがとう、大好き｣と言って抱きついてくるほどのお兄ちゃんっ子でもあった。ほんと、可愛い奴め。
そんな怜悧だが見た目ももちろん愛くるしい。この世で一番かわいらしい。だから今までさんざん色んな男に言い寄られてきた。中にはストーカーまがいの奴までいて、俺はそのすべてを徹底的に排除した。大事に大事に大事に育ててきた怜悧をそう簡単に渡してたまるものか。
その甲斐あってか、あれほどの可愛さにもかかわらず怜悧は男と付き合ったことがなかった。汚れなき純真無垢な天使、とでも言うのか。とにかく可愛い俺の大事な妹だ。
だから怜悧が泣きながら相談してきたときは正直言ってとても驚いた。腸めっちゃくちゃ煮えくり返った。アイツをぶん殴ってやりたいと思った。
すべてはあの朝、妹のあの一言から始まったのだ。
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