シャンパン
02
「ルフィ」
「誕生日」
「おめでとーっ!」
「かんぱーーーいっっ!!」
頭上にきらめく無数の星が降ってきそうな夜。
サニー号の甲板ではいつもにも増して賑やかな宴会が行われていた。
それは船長の誕生日を祝うという特別なイベントに加えて、普段はなかなか会うことのできない特別な人物が現われたからである。
「まさかルフィのお兄さんだったなんて思わなかったから…さっきはごめんなさい」
ななしは隣りに座るエースに小さく頭を下げて謝った。
そこへ料理を運んできたサンジが口を開く。
「ななしちゃんは悪かないさ。突然現れりゃ誰だって驚く」
でも、とななしは言葉を続ける。
「でも、いくらなんでもアレは言い過ぎだったわ…」
アレ、と言った途端にスイッチが入ったようにまたエースの顔が緩む。
「もう思い出させないでくれよ、アンタはおれを笑い死にさせるつもりか」
なぁ、とさらに隣りで骨付き肉を頬張る弟に同意を求めた。
肉で口をいっぱいにしてルフィが何か応えたが、何を言っているのか誰にも聞き取ることができず、サンジに行儀が悪いと小突かれる。
その後ろではフランキーとウソップが腰を振り、
ブルックが心地よい音楽を提供し、
船を揺らすほどの笑い声がこだまする海の上でいつしか皆酔いがまわり、一人二人と幸せそうに眠りに落ちていくのだった。
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