猛暑日和(puyo/ラグシェ) ※高校〜大学生位。 ぎらつく太陽が部屋の窓から降り注ぎ、より温度を上昇させる。 カーテンもクーラーも扇風機も、うちわさえもないこの部屋は正にサウナ室と言っていい程の暑さだ。 絶え間なく全身から吹き出す汗も拭うのが面倒くさくなり放置状態。暑さに文句を言う気力もとっくになくなり、ふと目の前で机にうつ伏せている青年に目がいった。 汗で銀色の髪がうなじや額にしっとりと張り付いている。無意識かそれを鬱陶しそうに手ですくい上げるのをじっと見ていると、流石に視線に気付いたのかジト目で返された。 うざいという風な目つきに少々圧倒されたので素直に視線を違う方向へと向ける。 外では小学生だろうか、数人の子供のはしゃぎ声と朝昼晩関係なく響く蝉の声。重なると暑さの為か苛立ちが増すBGMを背にラグナスは畳の上でごろりと横になった。 …暑い。 流石に横になるだけじゃあこの暑さは凌げないらしい。 汗が畳に染み込んでしまうんじゃないかという程汗が頬や腕を伝う。 着ているシャツはもう着用する意味がない位に汗を吸い込んでいた。 「…ラグナス、寝たのか?」 後ろで青年が重たい口を開いた。ラグナスは喋るのも億劫になる程のだるさに只首を動かすことしか出来なかった。 青年はラグナスの反応を見た後、畳に這いずる様に四つん這いでこちらにやって来た。 背後に感じる気配も気にせず(というか気にする気力が無いようだ)ラグナスは目を閉じていると、隣で青年も横になったようだ。 首を出来るだけ後ろに曲げ見てみると、体を丸める様に折り曲げ、自分と反対方向を向いている青年が目にはいった。 先程まで肌に張り付いていた髪が畳に散らばり、銀色の毛が太陽の光でより一層輝いている。 少しそれに見惚れた後、ぐるりと体制を反対側にした。 半袖のシャツから覗く腕やうなじが男とは思えないほど白くて、雪の様な冷たさを感じさせる。 そして無意識に腕が青年の方へが伸びていた。 「…おい、どういうつもりだ」 「…冷たくないね」 「当たり前だ。早く離せ、暑い」 腕を青年の腰に絡め、後ろから抱きしめるようにして寝る2人は明らかに暑苦しそうだ。 実際、青年は顔が火照って赤くなり始めていた。 「ていうか、俺より熱くない?体」 「そう思うんならいい加減離れろ」 「うん」 「おい、ラグナス」 「うん」 「暑さで頭腐ったのか?」 「うん」 「………」 何時までも離れないラグナスに青年は痺れを切らしたのか無理矢理に引き剥がしてさっさと向こうへ行ってしまった。 ラグナスの腕は無気力に畳へ落ちる。 ひんやりとした畳が火照った体を冷やしてくれる。 (ああ、気持ちいい。) (なのに、さっきの熱にもっと触れていたかったと思う俺は暑さで頭が腐ってたんだろう) きっと暑さにやられてただけ シェゾはひきこもだからコンビニとか行かずに家でずっと暑さに耐えてそう。それに付き合ってるラグナスの話でした。 |