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幻想詩編
三つ角小町
愛されていたなんて、幻想さ

幸せ小町

彼女が見ていたのは

何時だって僕の向こう側

時を交わして、肌を重ねて

でも、彼女の心は何時も何処かの違う場所

暮れない果実

幸せ運ぶ青い鳥

誰かから逃げて来たのを探してた

僕にも幸せを運ぶだろ

尾羽根を掴んで喚いてた

飛べなくなった青い鳥

不幸せな青い鳥

もう幸せ運ぶのも出来なくなった

泣くだけ無駄の飾り羽根


微笑み小町

腐った貴婦人に暴かれた

秘密の時報は蜜の味

隠れた秘宝は丸裸

踵を切られて戻れない

崩れた化粧の下から挨拶

歪んだ怪生は鬼の顔

秘密の小町

いずれ忘れる白夜の夢なら

せめて一言愛されたい

腹を裂き、臓物を食い破り

血の一滴まで解け合いたい
いつの間にやら時間も過ぎて

明るい部屋には歌も聴こえず

僕の隣に寝てるのは誰だろう


真っ赤に染まった青い鳥

糊に絡まり歌えない

大切な幸せを告げられず

彼女の訃報を待つばかり

もっと愛して、強く抱き締めて、骨まで砕いて

最後の一欠片まで


愛していたなんて、幻想さ

何時だって僕は別の人

唾液を交わして、愛を語って

崩れた肉に魂を沈めて

黒い快楽に身を沈める

そこにあったのは幻想さ

時計が回れば魔法は解ける

煤けたどくろに酒を積み

彼女は今も見つめている


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あきゅろす。
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