[携帯モード] [URL送信]

質問&バトン置き場
ドリー夢小説的妄想爆走バトン〜学園編〜@
1.放課後の教室

「イリア、課題は片付いたのか。
今日中に提出せねば単位はやらんぞ」

教室のドアを開ける先生。
しかし目に入ったのは、疲れ果てて机に突っ伏し眠りこけるイリアの姿。
落第の危機にあるというのに、彼女の寝顔はとても安らかなものであり。

「全く。単位を落としてもいいのか貴様は。
とっとと起き……」

そう言ってイリアを揺り起こそうとし、しかしその寝顔の可愛さに思いがけずときめいてしまったレムオン。
二人っきりで周りには他に誰も居ない――まさにおあつらえ向きなシチュエーション!!
衝動的に、頬に触れてそのまま口付けようとするが。

「……うーん……むにゃむにゃ。
今日は卵のタイムセールがあるのに……い、行かなきゃ……ぐぅ」

「…………お前と言う奴はッ!」

妙な寝言にテンションが下がってしまった模様、諦めたような溜息と共に教室を出て行くレムオン。
その可愛い寝顔に免じて、提出日を伸ばしてあげたというのはここだけの話である。


2.非常階段

「ここから見える景色が絶景なのよ!
ほら見て先生、雲一つ無い青空!」

「…………」

「こんないい天気なのに、何暗い顔しちゃってんのよー」

「……お前だけでなく、まさか俺まで授業をサボる事になろうとは……!」

「たまにはいいじゃない、こういうのも。
先生ったらいっつも職員室に籠もって、難しい本読んでばっかなんだもの。
気分転換だって必要よ」

「しかし、授業を抜け出してまでする事はないだろう!」

「……やっぱり、嫌だった?」

「!! そ、そういう訳では……!
………………………………………………たまにはこういうのも、悪くないか」

「でしょッ!?先生ならそう言ってくれると思ってた!」

「ッ!こら、そんなにくっつくな……!」

「やだっ!先生を独り占め〜☆」

「もう、好きにしろ……」


3.理科準備室

「きゃあ、これが噂に聞く(?)ホルマリン漬けっていうやつね〜!」

「…………」

「これは蜥蜴かしら?こっちは……何これ見たこともない生物!
わぁ、理科準備室って面白〜い!」

「……普通の女なら、ここは恐がる所ではないのか?」

「え? 私別に恐くなんてないわよ?」

「………………(がくり)」

「……あのさ、水を差すようで悪いんだけど、姉ちゃんはこんなので恐がる繊細な神経なんて持ってないから」

「恐怖で震えるイリアにしがみ付いてもらう、って展開を期待してたんだね兄さん」

「チャカ、エスト!お前らいつからそこに……!」

弟ズの乱入により、レムオンの目論みは呆気なく崩壊。


4.図書館

「先生〜!こっちの本はどこに置いたらいいの?」

「そこにあるのは廃棄に回す本だ。紐で縛っておいて……どうした、イリア?」

「ねぇ、この本も捨てちゃうんだよね?
これだけ貰ったら駄目かな?」

「別に構わんが……一体何の本だ?」

「んーとね、シンデレラの本」

「童話か?またどうしてそんな物を……」

「私、この物語大好き。
シンデレラみたいに、素敵な王子様に見出して貰うのが、子供の頃からの夢だったの……」

「……素敵な王子様、か」

(でもね、もう見つけたのよ。
私だけの、素敵な王子様……)

(俺がお前の王子様とやらになりたいと願うのは……これは過ぎた望みだろうか?)

ぎゅっと古びた本を、胸に抱き締めるイリア。
そんな彼女を、愛しげな眼差しで見つめるレムオン。
二人が互いの気持ちに気付くのは、まだ少しだけ先の話――


5.体育倉庫

「こんな所に呼び出したりして、一体何をするつもりなの?」

「分からんか、鈍い奴め。
この雰囲気でする事と言えば……やる事は、一つしかないだろう?」

「や、やっぱり……!
教師とあろう者が、そんな事するだなんて信じられないッ!」

「もう、我慢出来んのだ……。許せ、イリア」

「……先生が、私の事をそんな風に思ってただなんて!
でも私、絶対に屈したりしないんだから!!」

がばっ、と勢い良く制服の上着を脱ぎ捨てるイリア。
あんな事を言いながら、まさか自分から服を脱ぎだすとは……驚きを隠せないレムオンだったが、次のイリアの台詞を聞いて更に驚く事となる。

「イジメになんて絶対に屈しないわ!!
さぁ何処からでもかかってらっしゃい!」

「…………おい」

「先生がそんなに私の事を嫌ってただなんて、凄くショックだけどッ!
でも私、負けないんだからぁッ!!!」

「……お前、何か激しく勘違いしてないか?」

「問答無用!いざじんじょーに勝負ッ!!!」

「人の話を聞けっ、馬鹿者……!」

その後、押し倒すどころか小一時間、イリアと決闘する羽目になったレムオンであった……。


[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!