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退屈


「ごめんね有莉乃ちゃん。俺、今まで幼馴染みだからって唯和吏の肩持ってて…」






疑ってごめん!ある日そう言ってツナ君が謝って来た。

急にどうしたのかと思ったけど唯和吏ちゃんの味方をしなくなったとわかったので心の広ーい有莉乃はツナ君を許してあげた。

唯和吏ちゃんが何したのかは知らないけどこれで頼る人がいなくなったってことだよねぇ。

きゃははははは!

これからどんな態度を有莉乃にとってくるのか楽しみぃ!






「いい加減にしろよな!」



ガンッ



「…私は、やっ…てない…ぐふっ」






そうよねぇ。

唯和吏ちゃんはなーんにもやってないのにねぇ。

みぃんな有莉乃が泣けば唯和吏ちゃんがやったことになるんだもん。

それに今ではもうみんなが勝手に唯和吏ちゃんをこらしめてくれるから有莉乃はただ見てるだけでいいんだぁ。






「本当に懲りないよね」


「…ツ、ナ」


「馴れ馴れしく呼ばないでよ、橘」


「っ…」






その顔最高ぉ!!

そうだよねぇ、今までずっと庇い続けてくれたツナ君がもう冷たいんだよねぇ!

唯和吏ちゃんにはもう誰も味方になってくれる人がいない。

それなのにどぉしてまだ潰れないの?



こんなに楽しくて楽しくて堪らないのに、何日も同じ光景で飽きてきちゃったぁ。

唯和吏ちゃんにはまだ味方がいるってことなのぉ?

だって有莉乃の大嫌いなあの瞳はずーっと変わらないままなんだもん。

どぉしてそんな瞳をしてるのぉ?

どぉしてそんな瞳で有莉乃を見るのぉ?

やっぱり唯和吏ちゃんは自分の立場をわかってないのかなぁ。






「大丈夫か有莉乃?もうここにあいつは居なくなったからな」


「ありがとぉ武。ねぇ、いっつも唯和吏ちゃんは教室に居ない時どこにいるのぉ…?」


「それなら応接室辺りじゃねぇか?」


「うん、俺もそう思うよ。橘は風紀委員だしみんなもそう言ってるよね」






そういえば有莉乃が転校して来た日にそんなこと言ってた気がするなぁ。

でもそんなところに行って逃げたつもりになってたらちょっとガッカリ。

せっかく歯向かって来る強気な態度が好きだったのにそんなことしてるんだったらつまんなぁい。






「雲雀の野郎でも味方につけてんスかね」


「たしかに雲雀さんがついてたらなかなか手出せない」


「雲雀さんってだぁれ?」


「あ、そっか有莉乃ちゃんはまだ雲雀さんのこと知らないんだ。雲雀さんは風紀委員長ですっごい強い人なんだよ。
群れてたら咬み殺されるから有莉乃ちゃんも気をつけてね」


「う、うん」






みんなの話を聞いてるとすごく危なそうな人みたいだけどぉ、これでもし有莉乃がその"雲雀さん"を味方につければ唯和吏ちゃんは今度こそ一人になるんだぁ。

ふふふ、これでもぉっと楽しくなるわぁ!






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