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アレルヤ(ハレルヤ)で20のお題
17/言葉が見つからない4/灰堕海響



「ロックオン‥なんでそんなに僕に優しいんですか?」

僕には優しくしてもらう理由も権利もないのに。

「なんでって‥そら、お前のことが好きだから。前言ったろ?」

「そもそもなんであなたみたいな優しい人が僕を好きで居られるんですか?」

僕は歯止めがきかなくなって、ロックオンの言葉も聞かずに話し続けた。

「だって僕は人でなしだ。人を何人も殺した。女の人も、子供も、‥罪のない仲間も‥!!なのに僕は、ぬくもりを求めてしまった。あなたというぬくもりに縋ってしまった。僕にはそんな資格なんて無いのに‥!!」

何かのネジがはずれたように涙があふれ、画面の前のロックオンも霞んでよく見えない。彼はどんな顔をしているだろう。
人殺しの僕を、どんな目で見ているだろう。

「それがどうしたよ。」

さも普通そうな、それでいて少し怒ったような表情で素っ頓狂な事を言い出すロックオン。

「お前が人でなしでも人殺しでも、俺はお前が好きだ。過去に何があっても今、俺が見ているアレルヤは、アレルヤなんだろ?
おまえはおれに縋る資格が無いっていうけど、そんな資格いらない。お前が俺を縋らなくても俺はお前に優しくしてやるから。」

そう言いきったと思うと、ふっと笑ってロックオンは言った。

「お前に優しくする権利、俺は持ってると思うぜ?」

‥ああ、何でこの人はこうも優しく、そして
愛しいのだろう。
そのあと僕はもう何も言うことが出来なかった。


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