初サンドイッチ


今日の昼は胡瓜と生ハムのサンドイッチにしてみた。
あまり食欲がない時にも食べやすいし、生ハムも高蛋白質食品なので丁度良いのではないかと考えての選択だ。
加えて、少しでも胃にかかる負担を減らせればと考えた結果、紅茶はミルクを多めに入れたミルクティーにした。

「さっぱりしていて良いね。これなら食べられそうだ」

「良かったです。紅茶のほうはどうですか?」

「程よい甘さで美味しいよ。これも僕の好みに合うみたいだ」

サンドイッチを少しずつ口にしてはもぐもぐ食べている半兵衛は、何だか愛らしかった。

(うさぎみたい…)

「何だい?」

「な、何でもないです。美味しそうに食べてくれて良かったなあと思って」

「うん、美味しいよ」

にっこり笑った半兵衛がアイスティーのストローを口にする。

どちらかと言えば、“可愛い”よりも“綺麗”という言葉が相応しい美貌の持ち主であるが、ふとした瞬間の仕草などが可愛らしいと感じられる時があった。
可愛いなんて言われても男の人は嬉しくないだろうし、プライドの高い人なら尚更だ。
しかも相手はただの男性ではない。
武人であり、豊臣軍の参謀を務める男なのだ。

あまりじろじろ見ては心の中を見透かされてしまいそうなので、天音も自分の食事に集中することにした。

(でも、やっぱり可愛いなあ)

その向かいで半兵衛がまったく同じことを考えていたなど、当然思いつきもしなかった。






あきゅろす。
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