説明会2
「勘違いがないよう言っておくけれど、君達に事情を話して僕に得になる事は何もない」
半兵衛が冷淡に言い切った。
元就と半兵衛の視線が交じわる。
その数秒の間に腹の探りあいが行われたのだと解った。
「考えてもみたまえ。ここが未来の日ノ本であるとか、異世界であるとか、そんな突拍子もない説明をわざわざ骨を折ってまで話し聞かせて、僕に何の利益がある?」
「それは……」
「自分達がどうなったか事情を知らないまま君達が野垂れ死んだとしても、豊臣軍にとって損にはならない。僕が協力するのは、あくまでも彼女の意思を尊重しているからだ。天音が君達を保護すると決めたのであれば、僕はそれに従うだけだよ」
そのためにわざわざ憎まれ役を買ってでてまで説明してやっているのだと言えば、先程よりも空気が和らいだ気がした。
歯に衣着せぬ言い方であっても、お前達のためではなく天音のためなのだという本心をはっきり告げた事が彼らの心を動かしたようだ。
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