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短編
魔王の休憩所3
浴室から出ると、脱衣所に新しい下着と蔵馬のスウェットが置かれていた。着替えの準備までしてくれるのがいつもの流れだ。

俺が着てきた服は、既に洗濯機の中で洗われていた。このまま乾燥までしてくれるので、表示されている2時間後には、再び着られるようになるだろう。

リビングに行くと、ソファで目を閉じていた蔵馬がこちらを見た。

「……体を保たせるように、できるだけ休めるようにしてるんだ」

でもね、と体を起こす蔵馬。手のひらでソファの蔵馬の隣に座るよう示される。

座ると、蔵馬は俺の顔を覗き込むよう話し始めた。

「夜中に来るのを控えるとか、オレに遠慮はしないでほしい。幽助にはそろそろ話しておかないと怒られると思ったから話しただけで、それでオレを頼りにしてくれなくなるのは嫌なんだ。そもそも、秀一の寿命は幽助にもらったようなものだから、秀一の残り時間は幽助のために使うのも込みなんだよ」

「わぁった」

なんかいろいろ言ってる蔵馬の手を引き、寝室に連れて行く。ベッドに転がし、俺も一緒に転がる。

「お前ンとこに来たら、一緒に寝たらいいんだろ」

「いや、そういうことじゃ……うん、それでいいかな。ところで、キスしたり触ったりはどこまで許されるんでしょう」

「寝ろや」

「魔界植物で悶えるところを見せてくれたり」

「寝ろッ!」

「残念。……幽助の隣で休める幸せを噛み締めながら寝るよ。お休み」

俺の頬をするりと撫で、蔵馬は目を閉じた。

俺も目を閉じる。いろいろあった一日だった。

蔵馬はあと2時間程度で起きるんだろう。朝飯くらい、作ってやっか。起きれたら。

蔵馬の寝息に誘われて、俺も休息に入る。こういうのも、悪くない。

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