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魔王の壁越え

 ゴンたちは終了間際に飛び込み、合格をもぎ取った。3日間を有意義に使い切ったお前らがうらやましいぜ。早々にゴールしちまった俺の苦悩の3日間をどう語ろう。
 四次試験は、ゼビル島という島で行われるらしい。船でゼビル島へ移動すると、三次試験のゴール順にクジを引くことになった。
 クジはまずヒソカが引いた。中身は番号が書かれたカードだった。
 次に引いたのは俺。カードに書かれた数字を読み、何となく何をするのか予想がついた。
 続いて301番が引き、ツルッパゲが引き、最後にゴンたちが引いた。
 全員がクジを終えると、三次試験官のリッポーから説明が始まった。
「諸君にはこれから一週間、お互いに狩りをしてもらう。諸君が今引いたカードに書かれた数字が、その相手だ。自分のプレートが3点、相手のプレートが3点、合計6点を所持して最終日にゴールまで来られたら合格とする。ただし、ターゲットではないプレートは1点とし、ターゲットではなくとも6点を集められればよいこととする」
 リッポーの説明が終わる頃には、皆が自分のプレートを隠していた。いや、まあ俺は今更だから隠さなかったが。1番なんて覚えやすい数字な上に、相当連呼されたしな。どう考えてもみんな知ってんだろ。
「それでは、2分置きに一人ずつ出発する。順番は、三次試験の合格順になる」
 リッポーの説明が終わり、まずはヒソカが出発した。次は俺か。
「ユースケ!」
 背後から声をかけてきたのはゴンとキルアだった。
「次はユースケ出発だね」
「相手は誰だったんだ?」
 問い掛けて来る二人の胸には、やはりプレートはない。どこか不安げに聞いてくるのは、敵対関係になることを恐れているからだろう。カワイイ奴らだ。
「まさかヒソカだとか、あの見るからにキモヤベー301番とかだったりしねーよな?」
 キルアがコソッと言う。あー。そのキモヤベーの、おめーの兄貴だわ。
「俺の相手はアイツだ」
 指先には301番がいる。キルアがマジかよ、と呻き、ゴンが大丈夫?、と聞いてくる。
「問題ねーよ。おーい、301番! 俺の相手、おめーだわ!」
 三次試験の疲労を全部ぶつけてやるわ。覚悟しとけ。ニヤリと笑いかけると、301番は懐から自分のプレートを出し、俺に投げてきた。俺の手に収まる301番のプレート。
「カタカタカタカタ」
 頭に針ぶっさしたニワトリみてぇな髪型の宇宙人が何か言ってら。見つめられてもテレパシーとかできねーから。つーかアイツとは言葉が話せても意味通じねぇんだった。
 なんにしろ。
「プレート、手に入っちまったわ」
 出発前に6点が。
 周囲も皆、呆気に取られて見ていた。

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あきゅろす。
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