Walker Field marshal
4
列車から降りると、そこにはただただ鬱蒼と茂る森林があるだけだった。
「・・・・・・・・・ほんとにここであってるさ・・・?」
「・・・間違いねぇはずだ」
神田はコムイに渡された書類と駅の名前を見比べてここが正しい場所であることを確認する。
「だ、だけど確かこの先に小さな町があったはずさ!!」
先程列車の窓から張り付くようにして外を眺めていたラビが確信を持ったように言う。
ただ、この鬱蒼と生い茂る暗い暗い森林を見て、少しでも勇気が欲しかっただけかもしれない。
そう言って歩き始めて10分が経とうとした頃、いきなり前方を歩く神田の足が止まった。
「・・・どうしたんさ?」
「っし」
ラビの方は一切見ず、辺りを警戒するようにしている神田にラビはその意味を悟った。
「・・・どんくらい?」
「・・・10以上はいるな」
小声でそう話すと、一本の細い木の陰から1人の女性がふらりと出てくる。
「・・・そこのお2人さん、道がわからないので案内してはいただけない・・・?」
ぼそぼそとしゃべるその女性の目は虚ろだ。
殺意の篭った眼差しに、神田は刀に手を掛け、ラビは鉄槌に手を添えた。
「この道を進めば町さぁ」
「・・・そう・・・、ご親切にどウも・・・」
明らかな変化に2人は一瞬身を引く。
すると周りの木に隠れていたほかの人たちもゆらりと出てくる。
ざっと見るだけで10はいる。いや、それ以上。
「なんの用だ」
「エグゾジスド・・・エグゾジスト・・・」
1人の男がふらふらしながらそう呟きながら人の皮を剥いだ。
そこから現れたのは醜い姿のAKUMAだ。
それと一斉に他の人間も皮を剥いでAKUMAの形となる。
Lv3とLv2が半々ぐらいか、Lv3が少し多いぐらいだ。
「んでこんなにAKUMAが多いんさぁ!」
「知るかっ!六幻抜刀!」
「ひぃ〜!大槌小槌 満!!」
ラビの鉄槌がどーん、と地響きが起こす。
神田も六幻でAKUMAを切り捨てていく。
だが数が多い。明らかに神田とラビが劣勢だ。
その時、一瞬余所見をしたか、背後から襲い掛かるAKUMAの存在に気づかなかった。
「ラビッ!!!」
「ッ!!」
殺られるッ!!
そう、思った瞬間、辺り一面に純白の世界が広がった。
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