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Walker Field marshal




「久しぶりだね、『ウォーカー元帥』」
『やめてくださいよコムイさん、アレンでいいですよ。
 そう呼ばれるの今でもこそばゆいんですから』
「だけどそう言われるほどの功績を上げているじゃないか」
『そうだとしても、僕の方が年下なんですから』
「うん、僕もあんまり『元帥』って呼ぶのはイヤかなぁ〜」
『なんですかそれ』

ははは、と受話器越しから聞こえてくる。
その声は少し大人びて、だけどコムイからするとまだまだ幼いと思う。

「ところで、神田とラビがそろそろそっちに着く頃だと思うから、よろしくね」

すると『ウォーカー元帥』は笑い声が一瞬にして冷たいものへと変わる。

『だからやめてくださいって。僕はエクソシストとは行動などしないと前も言ったでしょう。
 伯爵も今躍起になって僕を探しているんですから』

大事なエクソシストに何かあってはいけない。
優しいアレンだからこその境界線。

「うん、だからこそあの2人をそっちにやったんだよ」
『・・・死ぬかもしれないのに?』
「アレン君なら大丈夫」
『・・・でも、』
「それに、アレン君の下なら彼らも成長できると思うんだ」

千年伯爵が力を付けてきている今、エクソシストの力に頼るしかない。
だから少しでも力を付けなければならないのだ。
だから力のある、『ウォーカー元帥』の下へとエクソシストを送りつけた。
きっとアレンは2人を追い返そうとするだろう。
だが、負けず嫌いの2人ならどうにかしてアレンの下にいるだろうと、そう思った。

『・・・わかりました。その2人が弱かったら送り返しますからね』
「おー手厳しいなぁアレン君ったら」
『てか、こんなこと話してる暇あったら書類のひとつでも片付けてやって下さい。
 さっきからコムイさんの後ろからリーバー班長の泣き声が聞こえてきてますよ』
「えー、アレン君までそんなこと言わないでよぉ」
『それじゃぁ、一様挨拶としてお迎えに行きますよ』
「・・・うん、2人を、よろしくね」

少し間を空けてはいと答えると、すぐにその電話はツーツーという音を発した。

「・・・お願いね・・・、アレン君・・・」




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