[携帯モード] [URL送信]

disagreeable!



『エルリック次期大総統、逃亡!?』

「・・・なんだね、これは」
「そのままの内容だと思いますよ」
「しかし、1週間でいきなり逃亡とは・・・」
『エルリック』の名を聞くのはこれで2回目である。
1回目は1週間前に取り上げられた記事だ。
しかし、普通逃亡なんて1週間なんてこんな短期間で決行するものなのだろうか。
「それにただこの記事がそう言ってるだけで、本当にデマだったのかもしれないな」
「そうかもしれませんね」
「よかったっスね」
「フン。たとえ本当の話だったとしても必ず私が大総統になってみせるさ」
「そうですかー」
ハボック、覚悟はいいか?と聞いてみれば、そろそろ市内巡回なので行ってきますーと言って逃げられる。
「・・・まったく」
そしてまた、その記事に目を通す。
「その記事がデマだったら名前も出てますし大総統がなんらかで動くかと思われますが。
 仮に本当の話だとしたら、何故その『エルリック』という人物は逃げたのでしょうか」
「それがわかればなんも苦労しないさ。・・・これは私の憶測なのだが」
ふと、
「この話はデマではないのかもしれない。
 『エルリック』の名前が今まで出なかったのは、本人の意思がなかったから。今頃出たのはきっと大総統の思惑なのだろう」
「・・・思惑?」
「さっき言った通り、本人に意思はなく、家庭やいろんなものが纏わり付いたのかもしれん。
 だが、それが仮になくなった、もしくは軽くなったこのチャンスを大総統が利用した・・・。と考えるのが今一番妥当なものだろう」
確かにそれが今一番考えられるものだろう。
だが、たとえそうだとしてもあのブラットレイ大総統が家庭や事情云々で『エルリック』という人間を隠すのだろうか。
ブラットレイ大総統は、とても強引だから、なんとなくそこに違和感を感じる。
「こんなところで考えてもきっと意味はないので、意味のある書類を今やってください」
「む・・・」


.


[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!