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disagreeable!
23



「大佐ー、エド来ましたよー」
「エドワードッ!!!?」
ガバッ!とさっきまで屍と化していた人物がいきなり起き上がる。
その衝撃でデスクの上で山となっていた紙が大きく揺れた。
その屍・・・人物がロイであると今やっと気が付くが、昨日とのギャップにかなり驚いた。
「・・・えと、何があったの?」
「・・・中尉を怒らせたんだ・・・」
「中尉?・・・ああ、ホークアイ中尉」
そういえば以前、軍の管轄の書庫で東方司令部の記録を盗み読みした。
その時に確かリザ・ホークアイ中尉という人物を読んだ記憶ある。
ロイが座っていたイスには銃痕と思われる穴が無数にあった。
中尉を怒らせた。それだけでこんな事態になるなんて・・・まったく事態が読めない。
「大佐は中尉を怒らせる天才だから」
「ハボック、焼き加減は何がいい?」
それ以上話すなとでも言いたそうな雰囲気を周りに纏わり付かせるロイにハボックの体がビクリと反応した。
「スミマセンデシタ」
謝ったもん勝ち。
「というかエドワード、そろそろハボックから離れたらどうだ?」
「え?あ、ごめん、ジャン」
強く握り締めていたのかハボックの軍服に皴が付いていた。
「別に大丈夫だ。大佐ー、さっさとその書類片付けないとエドと休憩に入れないスよー」
「なに、エドと?」
『エドと休憩』という言葉にロイは大きく反応する。
「エドワード、少しの間待っていたまえ。すぐにこの書類を片付けよう」
「え・・・、でも・・・」
迷惑なら帰るよとでも言うように表情は困惑している。
だってロイのデスクに置いてある書類を見る限り、すぐになどとは到底言えないような量だったからだ。
「それまで俺といるか」
ハボックはホークアイ中尉に先ほど持っていた分厚い本を手渡す。
「え、でもやっぱ悪いよ」
尚も迷惑になると帰ろうとするエドワードに、ホークアイが
「エドワード君、だったわね?」
「あ、ああ、うん」
「ハボック少尉は休憩に入るのだし、それに本人がいいと言っているからいいのではないかしら?」
ホークアイにまで言われてしまえば、さすがに帰る!と言って帰るわけにはいかない。
「・・・じゃあ、お邪魔します」
苦笑いを浮かべるエドワードの背中を、ハボックは一発平手で強く叩いた。



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あきゅろす。
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