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disagreeable!
22



司令部から出ようと門を潜ろうとすれば後ろから不意に名を呼ばれる。
「ジャン!」
「おー、やっぱエドじゃねぇか。何やってんだ?」
そこには司令部の1階の窓から話しかけるハボックの姿があった。
「ちょっと迷子の女の子がいてさ」
「へー、そうか」
「ジャンは何やってんの?」
「俺はこの本運んだら休憩だ」
そう言うと両手で持っていた分厚い本を少し持ち上げて見せた。
「あ、そういえば大佐がお前とまた会いたいって言ってたぞ」
「ロイが?」
「大佐もそろそろ休憩だから来るか?」
それには驚いた。
普通、こんな一般人を軍内に誘うか?
「えと・・・、そっちがいいなら」
少し戸惑ったように言えば、無邪気な顔でハボックが答える。
「いいに決まってんだろー!早く来い!」
重てぇんだよぉ!!と急かすから思わず走って近づく。
玄関で合流してそのままハボックとロイが仕事をしているというところに向かう。
ひとつの扉の目の前でハボックが立ち止まった。ここがそうなのだろう。
「エドー、開けてくれー」
「あ、うん」
両手で重い本を持っているハボックの代わりにその扉を開けてやる。
開けた先にいるのは一人の女性と見た目にかなり差のある男性4人だった。
「ハボック少尉。・・・あら?どちら様ですか?」
「・・・・・・」
くいくいと、ハボックの袖を僅かに引っ張る。
「お、俺、まずいところにきた・・・?」
エドワードが見たのはまさしく戦の後の戦場のようだった。
一番窓際に置かれたデスクには、大量の紙と屍が上に乗っていた。



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あきゅろす。
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